このページでわかること
特定技能「工業製品製造業」とは
製造業の人手不足を解消するために設けられた在留資格です。技能試験や日本語試験に合格した即戦力人材が、金属加工や電子機器の組み立てなど、幅広い業務に従事できます。
近年見直しが行われたポイント
2026年6月より、特定技能工業製品製造業対象となる産業分類や業務区分が拡大されました。見直しにより、従来に比べてさらに幅広い業務に従事できるようになりました。
特定技能で外国人労働者を雇用するメリットや注意点
即戦力人材の確保や人手不足解消が期待できる一方、受け入れ企業は関連法令の遵守や協議会への加入など、義務付けられた条件を守る必要がある点には注意が必要です。
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特定技能「工業製品製造業」は、従来「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」と呼ばれる分野でした。
名称が変更されたのは、制度の大幅な見直しにより業務区分が追加されたためです。業務区分の追加により、従来より幅広い製造業で外国人労働者の受け入れが可能になりました。
本記事では、特定技能「工業製品製造業」の概要・詳細を紹介します。製造業界で人手不足に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
特定技能工業製品製造業分野とは?概要と現状を紹介
特定技能「工業製品製造業」とは、深刻な人手不足に直面している日本の製造業現場で、即戦力となる外国人材を受け入れるための在留資格のひとつです。
日本の製造業は深刻な人手不足に直面しており、デジタルやAIの活用による生産性の向上や、女性・高齢者が働きやすい環境の整備や賃金水準の確保など、国内人材確保のための対策を講じてきました。
しかし、現場の人手不足は依然として解消されていません。製造業分野に係る職種における有効求人倍率は約2.81倍であり、一部の現場では深刻な労働力不足に直面しています。
デジタル化の進展に伴い、今後も半導体や生産機械、素材産業などは成長が見込まれていますが、令和10年度には31万9,200人程度の人手不足が生じると推測されています。
製造業は国民の生活に必要不可欠であり、基盤を維持し、継続的に発展するためには即戦力となる外国人材の受け入れが必要と判断され、特定技能制度の対象分野のひとつとして位置付けられています。
特定技能「工業製品製造業」は、もともと「素形材産業分野」、「産業機械製造業分野」、「電気・電子情報関連産業分野」の3分野に分けられていましたが、2022年に統合され「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野」という名称になりました。
さらに、2024年9月の制度改正により、鉄鋼、繊維、紙、印刷など、複数の製造業が追加され、現在は「工業製品製造業分野」に改められています。
名称の変更後も、従事できる業務区分が追加されるなど、度々制度の見直しが行われている分野です。
令和7年12月末時点では、特定技能のなかでも飲食料品製造業分野、介護分野に次いで3番目に受け入れ人数が多い分野が工業製品製造業分野です。
令和7年12月末時点の在留外国人数は56,736人で、全体の構成比では14.8%を占め、令和7年6月末比では11.1%増加しています。
出典:法務省「工業製品製造業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」
出典:法務省「特定技能在留外国人数(令和7年12月末)のポイント」
そもそも特定技能とは
「特定技能」とは、日本の深刻な人手不足に対応するために創設された在留資格であり、一定の専門性や技能を有する外国人材を即戦力として受け入れることを目的とした制度です。
人手不足が慢性化している業界にとっては、重要な人材確保の手段のひとつといえるでしょう。
「特定技能」について、以下で詳しく解説します。
特定技能の概要
日本で外国人が就労するには、就労が可能な在留資格を取得する必要があります。在留資格には複数の種類があり、特定技能はそのうちの一種です。
特定技能制度は、人材の確保が特に困難な状況にある特定産業分野で、一定の専門性・技能を有する外国人材の受け入れを促進するために国によって創設されました。受け入れ側にとっては、即戦力の人材を雇用できる点がメリットです。
特定技能人材の受け入れが可能な分野
現在、特定技能の対象分野は19分野ですが、一部分野は受け入れ開始に向けた準備段階にあります。以下では、現在既に受け入れが行われている16分野を紹介します。
- 介護
- ビルクリーニング
- 工業製品製造業
- 建設
- 造船・舶用工業
- 自動車整備
- 航空
- 宿泊
- 農業
- 漁業
- 飲食料品製造業
- 外食業
- 自動車運送業
- 鉄道
- 林業
- 木材産業
上記分野のうち「自動車運送業」「鉄道」「林業」「木材産業」の4分野は2024年に追加されました。
また、2026年1月23日には「リネンサプライ」「物流倉庫」「資源循環」の3分野の新たな追加が閣議決定され、これにより特定技能制度の対象業種は19分野となりました。これら追加された3分野については、現在受け入れ開始に向けた準備段階にあり、関係省令等の準備が整い次第、受け入れが可能となる予定です。
※2026年8月時点では、「外食業」は新規受け入れが一時的に停止されています。詳しくは以下の記事をご覧ください。
特定技能は制度の見直しや分野の追加がたびたび行われているため、最新情報は常にチェックしましょう。
特定技能1号と2号の違い
特定技能の在留資格は、習熟度や経験に応じて「1号」と「2号」に分類されます。それぞれの取得要件や在留条件が異なるため、制度を正確に理解しておくことが重要です。
特定技能1号は、原則として技能および日本語の検定に合格することで取得できます。また、技能実習を良好に修了し取得する方法も存在しますが、技能実習を良好に修了した場合でも、特定技能へ試験免除で移行できるのは、対応する職種・作業が定められている分野に限られます。新たに追加された分野については、技能実習との対応関係が整備されていない場合があり、その場合は評価試験の合格が必要です。
特定技能1号の在留期間は通算で5年までです。配偶者や子といった家族の帯同は原則として認められていません。
また、特定技能1号の受け入れ機関は、適切な支援計画を作成し、計画に基づいたサポートを行わなければならないとされています。
一方、特定技能2号は、1号より高い技術力が必要な検定や実務経験により取得できます。2号は在留期間の上限がなく、要件を満たせば配偶者・子の帯同が許可されます。
1号と異なり、2号は受け入れ機関による支援の対象外となるため、外国人材自身の自立した就労が前提となります。
なお、2024年に追加された自動車運送業・鉄道・林業・木材産業の4分野は、現時点では1号のみの受け入れとなっています。
2026年6月現在、特定技能「工業製品製造業」分野においては、「機械金属加工」「電気電子機器組立て」「金属表面処理」の3つの業務区分でのみ、2号の受け入れが認められています。
ただし、当初1号のみだった分野で2号取得が可能になった事例もあるため、今後の制度改正により対象が拡大される可能性も十分に考えられます。政府から発信される最新情報を定期的に確認することが欠かせません。
また、介護分野については、特定技能2号への移行ではなく、「介護」という独立した在留資格が個別に設定されている点も押さえておきましょう。
特定技能「工業製品製造業」の概要
特定技能「工業製品製造業」は、工業製品製造業分野の業務に従事できる在留資格です。
従来は「素形材産業分野」、「産業機械製造業分野」、「電気・電子情報関連産業分野」の3分野に限定されていましたが、制度改正に伴い、従事できる業務が大幅に追加されました。
2026年6月にも見直しが行われ、従来の10区分から17区分に拡大されています。度々見直しが行われているため、最新情報は常にチェックしましょう。
2026年6月時点の区分を、以下に分けて詳しく紹介します。
- 従来の10区分と拡大した業務区分
- 2026年6月1日に告示が施行された新たな業務区分7つ
- 付随する関連業務への従事も可能
- 特定技能「工業製品製造業」での受け入れ見込み数・運用期間
- 技能実習制度や育成就労制度との関係性
従来の10区分と拡大した業務区分
従来からあった既存の10の業務区分のうち、6区分では従事できる業務が追加されました。具体的な内容は以下のとおりです。
なお、上記の業務区分のうち、特定技能2号が認められているのは機械金属加工、電気電子機器組立て、金属表面処理の3区分のみです。
出典:経済産業省「工業製品製造業分野における特定技能外国人材の受入れについて」
2026年6月1日に告示が施行された新たな業務区分7つ
続いて、2026年1月の閣議決定で追加され、同年6月1日に告示が施行された7つの業務区分と、それぞれの区分で従事できる業務を紹介します。なお、原則として、対応する特定技能評価試験が実施された段階で在留諸申請が可能となります。
出典:経済産業省「工業製品製造業分野における特定技能外国人材の受入れについて」
付随する関連業務への従事も可能
特定技能「工業製品製造業」の在留資格で各区分に従事する際は、日本人が通常従事する関連業務に、付随的に従事することも可能です。
たとえば、機械金属加工の区分で従事する場合、定められた業務区分に加え、以下の付随的な業務にも従事できます。
- 原材料・部品の調達
- 搬送作業
- 各業務の前後工程作業
- クレーン・フォークリフト等運転作業
- 清掃・保守管理作業
など
ただし、付随的な業務だけを行うことは禁止されているので注意しましょう。
特定技能「工業製品製造業」での受け入れ見込み数・運用期間
特定技能「工業製品製造業」分野での受け入れ見込み数は、当初2024年度から2028年度末までの5年間で17万3,300人に設定されていました。
受け入れ見込み数は、業務の効率化や国内人材確保を行ってなお不足する人数として設定されたものです。
受け入れ見込み数は度々見直しが行われており、2024年にも各分野で見直しが行われています。
見直しにより設定されている工業製品製造業分野の1号特定技能外国人の受け入れ見込み数は、2029年3月までで19万9,500人です。上限に達した場合は、新たな受け入れが停止になる可能性があります。
技能実習制度や育成就労制度との関係性
技能実習制度の2号を良好に修了すると、特定技能に移行することが可能です。ただし、移行できる業務区分は、関連するものに限られます。
たとえば、技能実習の職種「鋳造」で従事していた場合、工業製品製造業では「機械金属加工」の区分に移行できます。
技能実習2号移行対象職種と特定技能1号における分野(業務区分)との関係は、出入国在留管理庁や経済産業省のホームページで確認可能です。
ただし、技能実習制度は廃止されることが決定しているため、受け入れには注意が必要です。技能実習制度に代わって2027年4月に施行予定の育成就労制度でも、工業製品製造業分野があります。
育成就労制度は、特定技能1号水準の技能を有する人材の育成により、各業界の人手不足の解消を目的にしている制度です。
育成就労制度で従事できる業務区分も特定技能1号の工業製品製造業と同じく、17区分、76分類です。育成就労制度で外国人労働者を受け入れ、良好に修了すれば、特定技能に移行できる可能性があります。
育成就労制度の運用要領は2026年6月に法務省のホームページで公表されています。工業製品製造業分野の詳細は、所管する経済産業省のホームページで随時更新されているため、育成就労制度で外国人労働者の雇用を考えている方は、最新情報をチェックしておきましょう。
出典:出入国在留管理庁「外国人労働者に関する制度概要」
出典:出入国在留管理庁「育成就労制度運用要領」
特定技能「工業製品製造業」分野の在留資格を取得する方法
特定技能「工業製品製造業」の在留資格を取得するための方法を紹介します。
- 技能検定および日本語能力の検定に合格する
- 技能実習2号修了からの移行
技能評価試験および日本語能力の試験に合格する
分野ごとに定められた特定技能評価試験と日本語能力検定の両方に合格すると、特定技能1号の在留資格を取得できます。
技能評価試験では、一定の基準以上の点数の獲得が必要です。日本および一部の海外で受験でき、受験できる国や試験の内容は各分野で異なります。試験内容は知識や判断力を問う学科試験のほか、実技試験が含まれる分野も存在します。
特定技能「工業製品製造業」1号では、以下の2つに合格する必要があります。
①各区分の製造分野特定技能1号評価試験
②国際交流基金日本語基礎テスト(A2.2相当以上)、日本語能力試験(N4以上)
2号の取得に必要な試験を含め、内容を整理すると以下のとおりです。
出典:経済産業省「工業製品製造業分野における特定技能外国人材の受入れについて」
技能実習2号修了からの移行
技能実習2号を良好に修了している場合、特定技能1号への移行時に評価試験等が免除されます。試験対策の負担を軽減できる点は、移行を検討する企業・外国人材双方にとって大きなメリットといえるでしょう。
ただし、免除が適用されるのは「対応する業務区分」への移行に限られます。特定技能移行後に、技能実習で修了した業種・作業と対応しない業務区分に従事する場合は、別途試験に合格する必要があります。
技能実習とは、外国人が日本で得た知識や技術を自国に持ち帰って活用するための制度です。開発途上地域への技術移転による国際貢献を目的に創設されました。
ただし、移行できるのは、対応する業務区分のみです。移行対象職種と特定技能1号の関係性は事前に確認しておきましょう。
なお、現行の技能実習制度は転職が規制されていることから外国人労働者の立場が弱くなりやすいですが、新設する「育成就労制度」では転職制限が緩和され、特定技能への移行もしやすくなる見通しです。
特定技能取得のための外国人本人の要件
特定技能の在留資格を取得するにあたって、外国人本人が満たすべき基準が定められています。以下の要件を全て充足していることが前提となります。
- 18歳以上である
- 健康状態が良好である
- 退去強制の円滑な執行に協力する国が発行した有効なパスポートを所持している
- 保証金を徴収されていない
- 外国の機関に費用を支払っている場合は、内容に合意している
- 送り出し国で遵守すべき手続が定められている場合、手続を経ている
- 食費・居住費など外国人が定期的に負担する費用の内容に合意している。また該当の費用の額が実費相当額その他の適正な額であり、明細書その他の書面が提示されている
- 分野特有の基準に適合している(※分野所管省庁の定める告示で規定)
- 特定技能1号の場合、特定技能1号での在留期間が通算5年に達していない
なお、技能実習を修了済み、あるいは技能検定に合格済みであっても、上記要件を満たしていない場合は特定技能の資格を取得できません。技術的な実績だけでなく、在留資格に関わる手続き上の要件も同様に重要です。
出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受け入れる際のポイント」
特定技能「工業製品製造業」の分野で外国人を受け入れるメリット
特定技能「工業製品製造業」を活用した外国人材の受け入れには、人手不足の解消にとどまらない多くのメリットがあります。以下では、雇用側の企業が得られる主な利点を詳しく解説します。
一定水準以上の技能が証明されている
特定技能外国人は、所定の試験や日本語試験への合格、もしくは技能実習を良好に修了していることが在留資格取得の条件となっています。
つまり、採用時点ですでに一定水準以上の技能と基本的なコミュニケーション能力が証明された人材であるといえます。
「工業製品製造業」分野においても、業務区分別の試験によって機械金属加工、電気電子機器組立て、印刷・製本、紡織製品製造他、各種業務区分ごとの実務能力が確認されています。
一から育成が必要な未経験者とは異なり、現場での即戦力として活躍が期待できる点は、企業にとって大きなメリットになるでしょう。
技能実習からの移行者であれば、現場での実務経験もすでに積んでいるため、採用後すぐに現場へ配置しやすい状況が整っています。
採用後の教育コストや研修期間を抑えられることからも、受け入れ側の負担軽減につながります。
事業所ごとの受け入れ上限設定がなく、幅広い業務に従事できる
技能実習制度では、技能実習生の受け入れ人数に制限があり、所定の人数までしか雇用できません。また、従事できる業務の内容や就労時間も限定的です。
工業製品製造業分野の特定技能外国人の場合、受け入れ見込み数(上限)が設定されているものの、企業ごとの人数枠は原則として設けられていません。必要なだけ人材を効率よく確保でき、技能実習と比較して幅広い業務に従事させられます。人手不足が深刻な工業製品製造業分野では大きなメリットです。
長期にわたる就労が見込める
特定技能制度を活用した外国人材の受け入れは、企業にとって長期的な雇用計画を立てやすい点が大きなメリットです。特定技能1号の在留期間は通算で最長5年、特定技能2号に移行した場合は上限なく在留期間の更新が可能となるため、継続的な雇用関係を築きやすい仕組みとなっています。
技能実習制度と異なり、即戦力として活躍できる人材を長期にわたって確保できることは、深刻な人手不足が続く工業製品製造業分野において特に重要です。採用・育成にかけたコストを長期間にわたって回収できるため、企業としての投資対効果も高まるでしょう。
特定技能は、すでに日本に在留している外国人も取得できるため、取得が見込まれる人材がいれば移行を促してみるのも良いでしょう。
特定技能「工業製品製造業」で特定技能外国人を受け入れるための要件

特定技能制度を活用して工業製品製造業分野で外国人材を受け入れるにあたっては、事前に把握しておくべき制度上のルールや、実務面でおさえておくべき重要なポイント・注意点があります。制度を正しく理解したうえで適切な体制を整えることが、受け入れを成功させるための第一歩となります。
特定技能外国人の受け入れ機関が注意すべき2点のポイントを解説します。
- 特定技能受け入れ機関の基準
- 特定技能受け入れ機関の義務
特定技能受け入れ機関の基準
特定技能外国人の受け入れ機関が満たすべき基準は以下のとおりです。
- 外国人と締結する雇用契約が適切である(記載すべき事項が揃っており、賃金水準は日本人と同等以上)
- 受け入れ機関自体が適切である(法令を遵守している・欠格事由に該当しないなど)
- 外国人を支援する体制がある
- 外国人を支援する計画が適切である(受け入れ機関は、1号特定技能外国人を支援する計画を作成し、計画に基づいた支援の実施が必要)
また、工業製品製造業分野で特定技能外国人を受け入れるには、直近1年間で「製造品出荷額等」が発生していなければなりません。
「製造品出荷額等」とは、直近1年の製造品出荷額・加工賃収入額の合計です。当該事業所が所有する原材料によって製造された製品を直近1年の間に出荷していなければ要件を満たさないため注意してください。
同一企業の他事業所へ引き渡した分や、自家使用した分、委託販売(返品を除く)に出した分も含んで良いとされています。
加えて、工業製品製造業分野特有の事情に鑑みて講じられる措置として、製造事業者団体および特定技能所属機関等に対し、それぞれ以下の条件が定められています。
【製造事業者団体に対して特に課す条件】
多数の専門業種や団体が存在する背景から、各団体が共同して「特定技能外国人受け入れ事業実施法人」を設立し、次の取り組みを行うことが義務付けられています。
①適正な受け入れに向けた共同ルールの策定と、その遵守状況の確認
②海外現地機関との調整、試験場所の確保、受験者募集、試験の実施
【特定技能所属機関等に対して特に課す条件】
①生産性向上や国内人材確保のための取組を行っていること
②特定技能外国人受入事業実施法人に所属すること
③経済産業省告示が定める対象産業(工業製品製造業分野)を営む事業所であること
④特定技能の協議会で合意された措置を講じること
⑤経済産業省や委託を受けた者が行う指導や調査などの業務に必要な協力を行うこと
⑥育成就労時と異なる業務に就かせる場合など、必要に応じて訓練・研修を実施すること
⑦特定技能外国人からの求めに応じ、実務経験を証明する書面を交付すること
これらの基準は、受け入れ機関が単に人材を確保するためだけでなく、外国人労働者の権利保護と適正な就労環境の維持を両立させるための枠組みとして機能しています。
出典:出入国在留管理庁「特定技能ガイドブック」
特定技能受け入れ機関の義務
特定技能外国人の受け入れ機関には一般的に以下の義務が課されます。
- 外国人と締結した雇用契約を確実に履行する
- 外国人への支援を適切に実施する(特定技能1号のみ)
- 出入国在留管理庁およびハローワークへの各種届出
- 報酬は預貯金口座への振込に限定する
これらは特定技能制度を活用する全ての受け入れ機関に共通する義務であり、怠った場合は外国人の雇用継続が困難になるだけでなく、行政からの指導や改善命令の対象となります。さらに、各種届出を怠ったり虚偽の内容で届出を行ったりした場合は、罰則の対象にもなるため、制度の運用においては細心の注意が必要です。
工業製品製造業分野で特定技能人材を活用するにあたっては、受け入れ後の法令遵守体制を事前に整備しておくことが、安定した雇用関係を維持する上で不可欠といえるでしょう。
まとめ
特定技能「工業製品製造業」は、従来「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」と呼ばれる分野でしたが、従事できる業務の追加により、名称が変更された分野です。制度の見直しにより、従来よりも幅広い業務に従事できるよう、区分が大幅に追加されました。
2026年6月時点では、特定技能1号の工業製品製造業で従事できる業務区分は全17区分、76分類ですが、分野の統合、名称の変更、区分の追加、受け入れ見込み数の再設定など、見直しの頻度が高い分野のため、最新情報の確認が大切です。
制度で定められた義務や各種届出を怠ると、指導や罰則の対象となるため注意しましょう。はじめて外国人材を雇用するにあたって、詳しい制度の概要や雇用手順に不安があるなら、専門的な機関に頼ることも大切です。
Adeccoの特定技能外国人材紹介では、特定技能に特化した外国人材の紹介を行っております。厳格な基準をクリアした、優秀かつ意欲的な人材のみ紹介しているため、持続的な雇用が可能です。
外国人の雇用に必要な手続き・書類に関しても、わかりやすくサポートします。在留外国人の雇用・定着でお悩みの方は、ぜひAdeccoにご相談ください。