【連載企画】人的資本経営トップ対談 #9 『人事と経営、両輪駆動のキャリア改革』
2025/09/12

三井情報株式会社 副社長執行役員 CHRO 蒲原務氏 × 法政大学教授 田中研之輔氏
今、「人的資本経営」が急速な広がりを見せています。この連載企画では、人的資本経営を牽引する業界のトップリーダーにスポットを当て、その実態に迫ります。
第9回目となる今回のゲストは、三井情報株式会社で副社長執行役員CHROを務める蒲原務氏。同社のキャリアオーナーシップを根付かせるための数々の施策や、アップスキリング・リスキリングの取り組みについて、法政大学の田中研之輔教授と共に紐解きます。
部門の壁を取り払い、誰もがあらゆる領域を学べるようにした。
田中研之輔氏(以下田中氏):今のキャリア領域や人材開発で注目されるのが、リスキリングやアップスキリングですよね。入社時点よりも社員のパフォーマンスを引き上げていく。御社では社内アカデミーや専門研修も充実していると伺っていますが、どのように進められているのでしょうか。
蒲原務氏(以下蒲原氏):そうですね。当社の社員の6割から7割は技術職ですので、これまでは技術部門が中心になってアカデミーを運営してきました。営業部門は現場主義ですし、コーポレート部門もそれぞれの専門性に応じた研修を受けていました。
しかし、今年から大きく変えたのは、部門の壁を取り払い、技術アカデミーを営業やコーポレート部門にも開放したことです。営業であっても、技術を学びたいと思えば参加できる。これにより、社員はIT企業出身者として必要なスキルを自ら身につけられる環境を整えました。
さらに資格制度も部門を超えて利用できるようにしました。例えば、経理担当が技術系資格を取りたい場合、受験料を会社が支援する。コーポレート部門の社員が技術系資格を取りたい場合、会社が受験料を補助し、部門ごとに定めた資格に報奨金を支給する。こうした取り組みを通じて、社員が自分のキャリアを主体的に積み重ねる複線型キャリアの土台を作っています。
田中氏:なるほど。専門的なスキルのアップデートだけでなく、他領域も学べるようにするわけですね。「複線型キャリア」と呼びますが、エンジニアが営業スキルやコミュニケーション能力を学ぶ、ということも起こりうるのでしょうね。
蒲原氏:その通りです。技術職の人は技術だけではなく、経理などの知識も必要になる場面があります。営業やコーポレートも同様に、技術を学ぶことで視野が広がります。したがって、私たち経営は、皆にどうやって頑張ってもらうかを考え、その環境を整えることが何よりも大切だと思っております。
→ぜひこちらから、対談の全編をご覧ください。
蒲原 務氏 プロフィール
三井情報株式会社
副社長執行役員CHRO
- 1991年、三井物産株式会社入社。
海外駐在などを経て、2017年、三井情報株式会社の人事総務担当役員補佐として、全社の人事・総務を担当。 - 2020年、執行役員営業企画本部長として営業部門の企画・人事・総務を担当。
- 2022年4月より現職。
田中研之輔氏 プロフィール
博士号 専門:キャリア開発 組織アナリスト
株式会社 キャリアナレッジ 代表取締役社長
一般社団法人 プロティアン・キャリア協会 代表理事
法政大学キャリアデザイン学部 教授
UC.Berkeley 元客員研究員/Melbourne University 元客員研究員
日本学術振興会 元特別研究員(PD:一橋大学/SPD:東京大学)
著書38冊・社外顧問 36社歴任
<著作リスト・一部>
『プロティアンシフト』(2023.5)
『社員がやる気をなくす瞬間』(2022.12)
『人的資本の活かしかた』(2022.8)
『キャリアワークアウト』(2022.7)
『今すぐ転職を考えてない人のためのキャリア戦略』(2022.4)
『新しいキャリアの見つけ方』(2022.1)
『プロティアン教育ー三田国際学園のキャリアエスノグラフィ』(2021.11)
『ビジトレー今日から始めるミドルシニアのキャリア開発』(2020.6)
『プロティアンー70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本論』(2019.8)
『教授だから知っている大学入試のトリセツ』(2019.3)
『辞める研修 辞めない研修ー新人育成の組織エスノグラフィー』(2019.3)
『先生は教えてくれない就活のトリセツ』(2018.7)
『ルポ 不法移民ーアメリカ国境を越えた男たち』(2017.7)
『実践するキャリアオーナーシップ』(2024.3)
『進化するキャリアオーナーシップ』(2024.3)
『キャリア・スタディーズ -これからの働き方と生き方の教科書』(2024.9)
『これからのキャリア開拓』(2025.6)
『グロースマネジャー』(2025.6)
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※本内容は、2025年5月時点の取材にもとづき掲載しています。


