【連載企画】人的資本経営トップ対談 #8 「富士通13万人で挑む」『キャリアオーナーシップ改革の進め方』
2025/08/29

富士通株式会社 取締役執行役員専務CHRO 平松浩樹氏 × 法政大学教授 田中研之輔氏
人的資本経営が求められる時代において、多くの企業が「人への投資」の必要性を掲げています。しかし、制度や掛け声だけでは組織は変わりません。社員一人ひとりの意識や行動に対し、どのように進化と変容を促すか。この難題に真正面から挑み、13万人を超える社員にキャリアオーナーシップを広めた企業があります。
第8回のゲストは、富士通株式会社 取締役執行役員専務 CHROの平松浩樹氏。単なる制度導入ではなく、人材の流動、学びの自走、報酬設計の見直し、新卒採用の刷新にまで踏み込んだ構造改革を大胆に実施したトップリーダーです。
企業の文化を変える取り組みは、なぜ実現できたのか。そして、人的資本経営においてキャリアオーナーシップはどのような役割を果たすのか。今回も法政大学・田中研之輔教授と共に、その大胆かつ本質的な改革の舞台裏に迫ります。
ポスティング制度に手を挙げた社員はまさに27,000人
日系国内最大規模の人材流動が、まさに目の前で起こった。
田中研之輔氏(以下田中氏):私と平松さんは何度かご一緒させていただいておりまして、昨年には書籍『進化するキャリアオーナーシップ』も一緒に出版いたしました。この「キャリアオーナーシップ」という言葉は、まさに富士通さんのキーワードですね。
平松浩樹氏(以下平松氏):おっしゃる通りです。富士通では2020年に、ジョブ型の人材マネジメントにフルモデルチェンジしました。しかしジョブ型の人事制度に加え、まさに「キャリアオーナーシップ」がないといい形で機能しないと思ったんです。
田中氏:富士通の社員の方ともお会いする機会がありますが、その方々から自然と「キャリアオーナーシップ」という言葉を聞くようになりました。その浸透度はすごいですよね。
平松氏:ええ、私も含めて大半の社員は「キャリアは会社や上司が決めるもの」と思い過ごしてきましたので、いかに定着させるかが当初のテーマでした。しかし、比較的短期間で定着し、社員の行動も変容してきたという実感はありますね。
田中氏:具体的にどんな変化がありましたか?
平松氏:例えば、この4年間で27,000人の社員がポスティング制度に手を挙げて、10,000人が合格して異動をしました。おそらく、日経国内企業においては最大規模の人材流動が目の前で起こったのではないかと思っています。また、会社が提供している学習機会の利用時間や利用者の数が4倍になっていることからも、オーナーシップからなる主体的な学びや挑戦が、キャズム(溝)を超えたのではないかと実感しています。
田中氏:定性的な変化ではなく、すでに定量的な変化として効果が表れているということなんですね。本日は、それを実現するに至った内実や、取り組みの方法について迫っていければと思います――。
→ぜひこちらから、対談の全編をご覧ください。
平松 浩樹氏 プロフィール
富士通株式会社 取締役執行役員専務 CHRO
- 1989年富士通株式会社に入社。
- 2009年より役員人事の担当部長として、役員人事・グローバル役員報酬の制度企画等を担当。
- 2020年4月より執行役員常務として、ジョブ型人事制度やニューノーマル時代の働き方、オフィス改革などに取り組んでいる。
- 2024年より現職
田中研之輔氏 プロフィール
博士号 専門:キャリア開発 組織アナリスト
株式会社 キャリアナレッジ 代表取締役社長
一般社団法人 プロティアン・キャリア協会 代表理事
法政大学キャリアデザイン学部 教授
UC.Berkeley 元客員研究員/Melbourne University 元客員研究員
日本学術振興会 元特別研究員(PD:一橋大学/SPD:東京大学)
著書36冊・社外顧問 36社歴任
<著作リスト・一部>
『プロティアンシフト』(2023.5)
『社員がやる気をなくす瞬間』(2022.12)
『人的資本の活かしかた』(2022.8)
『キャリアワークアウト』(2022.7)
『今すぐ転職を考えてない人のためのキャリア戦略』(2022.4)
『新しいキャリアの見つけ方』(2022.1)
『プロティアン教育ー三田国際学園のキャリアエスノグラフィ』(2021.11)
『ビジトレー今日から始めるミドルシニアのキャリア開発』(2020.6)
『プロティアンー70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本論』(2019.8)
『教授だから知っている大学入試のトリセツ』(2019.3)
『辞める研修 辞めない研修ー新人育成の組織エスノグラフィー』(2019.3)
『先生は教えてくれない就活のトリセツ』(2018.7)
『ルポ 不法移民ーアメリカ国境を越えた男たち』(2017.7)
『実践するキャリアオーナーシップ』(2024.3)
『進化するキャリアオーナーシップ』(2024.3)
『キャリア・スタディーズ -これからの働き方と生き方の教科書』(2024.9)
『これからのキャリア開拓』(2025.6)
『グロースマネジャー』(2025.6)
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※本内容は、2025年4月時点の取材にもとづき掲載しています。


