BPRが必要とされる背景と実施のメリットとは? BPR実施のプロセスと手順を解説
2025/12/26

BPRとは、業務プロセスを見直して再構築することをいい、生産性向上や競争力強化を実現する業務改革の手法として、多くの企業から注目を集めています。
従来の業務改善と比較して、より根本的かつ抜本的な業務上の課題解決を目的としています。
また、関連して語られることが多い業務改善の手法としてBPOがありますが、両者の違いはどこにあるのでしょうか。
このページでは、BPRを実施する際のポイントや企業の成功事例のほか、BPOとの違いについて解説します。
失敗しないBPO・アウトソーシング「BPR」から始まる業務効率改革
この資料では、BPRの基本概念、BPOとBPSとの違い、成功事例、そしてボトムアップ型アプローチの重要性について具体的に紹介。
企業が業務を効率化し、競争力を強化するための実践的なアプローチを学ぶことができます。
この記事の目次
BPRとは?
BPRはBusiness Process Re-engineering(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)の略語で、業務フローや組織構造、システムなどを見直し改善していく取り組みを指します。
BPRの目的
従来の業務改善が、既存のやり方を少しずつ良くしていく継続的な改善であるのに対し、BPRは既存のやり方を壊し、新しい理想的なプロセスを一から構築する劇的な改革を目指すのが特徴です。
企業の活動を部門ごとの個別業務の集まりとしてではなく、顧客や市場に価値を提供する一連のプロセスとして捉え直すことから始まります。
具体的には、既存の社内の業務内容、組織構造、情報システム、企業文化といった要素を根本的かつ抜本的に見直し、再設計します。
BPRとその他の用語との違い
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用語
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概要
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|---|---|
| 業務改善 | 自社のビジネスや業務における問題や課題を見つけて解決し、より効率や生産性を上げること。 詳しくはこちら> |
| DX | 「Digital Transformation」の略で、デジタル技術を活用して、組織やビジネスモデルそのものを変革すること。 |
| BPO | BPO(Business Process Outsourcing)は、業務の一部を外部企業に委託して行う業務改善を指す。 詳しくはこちら> |
| BPM | Business Process Managementの略で、PDCAサイクルを用いて、業務プロセスの設計・実行・監視・改善を繰り返し行うマネジメント手法。 |
業務改善とBPRの違い
業務改善は多くの場合、既存の業務を前提にして部分的な最適化を行います。一方でBPRは業務全体を抜本的に見直すことを目的としています。
DXとBPRの違い
どちらも変革を目的とした取り組みですが、DXは「デジタルを軸に事業・組織を変革する概念」、一方のBPRは「業務プロセスを抜本的に再設計する手法」という位置づけで、範囲と目的が異なります。
BPOとBPRの違い
BPO(Business Process Outsourcing)は、業務の一部を外部企業に委託して行う業務改善です。一方でBPRは組織全体の抜本的な業務の見直す業務改革で、業務改革の方法としてアウトソーシングなどが検討されます。
BPMとBPRの違い
どちらも業務プロセスに関わる概念ですが、BPMは業務プロセスを継続的に管理・改善する仕組みであり、BPRは業務プロセスを抜本的に再設計する取り組みという違いがあります。
BPRのメリット
社会環境の変化を受けてBPRの実施を検討する企業が増えていますが、BPRを実施するメリットが大きいのも理由として考えられます。本章では、BPRを実施するメリットを紹介します。
BPRによるメリット
業務効率化による生産性向上
BPRを実施するメリットのひとつが生産性の向上です。
BPRを通じて行う、現状の業務プロセスの見直しは業務上の課題を明確にします。業務上の課題の可視化と課題解決により、業務効率化が実現し生産性もアップします。
従業員の負担軽減
業務効率化の取り組みは、無駄な業務を削減し従業員の負担を軽減します。
さらに、従業員の負担軽減は、従業員の満足度向上に繋がり、離職率の低下や生産性の向上が期待できます。
リスクマネジメント効果
BPRの実施による業務プロセス見直しの過程のなかで、業務フローの可視化が行われます。
業務フローは、担当者によって個別化されるケースが多く、コンプライアンス上の問題点などが見えにくいリスクを伴います。
BPRの実施による業務フローの可視化は、コンプライアンス上のリスクなどを可視化し、業務上のコンプライアンスリスクなどの管理が可能です。
BPRのデメリット
BPRの実行にはメリットだけでなく、状況次第ではデメリットになり得る要素も存在します。BPRの実行を検討する際には、以下で紹介する点に留意してメリットとのバランスを踏まえた検討が必要です。
コストが掛かる
BPRの実施には、時間や工数、経済的なコストが掛かります。
業務改革を実施するために、現状の業務プロセスを洗い出し、課題となる部分の抽出や業務工数の分析を行います。
そして、現状の課題や問題点を踏まえて、業務効率化のために新しいITシステムを導入する際にはさらなる費用が必要です。
従業員からの反発
BPRの実施に対しては、現場で業務にあたる従業員から、既存の業務フロー変更に対する反発が起こるリスクを伴います。
従業員からの反発を防ぐためには、業務フロー変更の必要性や変更後のメリットを従業員に理解させ、納得させる姿勢が欠かせません。
BPRのやり方・進め方
BPRを導入し、業務効率化を実現するためには、持続させるためのプロセスが重要となります。BPR導入から実行、そして継続するまでの具体的なプロセスは下記のとおりです。
1.目的の整理と対象業務の設定
BPRを実施する際には、その目的と最終的に達成したいゴールを定義することが重要です。
企業全体が抱える課題や問題点を踏まえ、その目的に合わせて業務改善が必須となる領域を特定します。
2.現状把握
次に、BPRを実施する対象業務の現状把握を行います。
すでに認識している課題や問題点を起点に、現行の業務プロセスを可視化・分析し、具体的な問題点を抽出して改善すべきポイントを明確にします。
3.課題解決策の立案
現状分析から抽出された業務上の課題を解決するための戦略を策定します。
たとえば、業務効率改善の観点から現状の業務を、直接利益を生み出す「コア業務」と利益には直結しない「ノンコア業務」に分類。そしてコア業務に注力するためにノンコア業務のアウトソーシングを行う、というように検討していきましょう。
4.BPRの実行
BPRの目的と対象業務、達成すべき目標が設定され、対象業務の現状分析から改善すべき課題が明確になり、改善策が策定したら、BPRの実行に移ります。
この段階での注意点は、社員全員がBPR実施の目的や必要性を理解し、余計な反発を招かないよう、十分な情報共有とコミュニケーションを行うことです。
5.PDCAによる進捗確認
実行したBPRが、設定された目標達成に向けて適切に進んでいるかどうか、PDCAサイクルを回しながら継続的にモニタリングします。
実施の過程で、当初策定した課題解決策や目標に問題が確認された場合は、戦略・プロセス・指標などを見直し、必要に応じて方針変更や追加施策を検討します。
BPR推進の際の注意点
BPRを実行し、業務改善や生産性の向上など期待する成果を創出するためにはどのような点に注意すればいいのでしょうか。具体的には、下記に気をつけてBPRの実行をおすすめします。
BPRを実施する目的を経営層と従業員で共有する
BPRを実施する上で、社員全員にBPRを実施する目的や業務改善を行う意味が正しく理解され、浸透させられるかどうかが重要です。
長年慣れ親しんだ既存の業務フローが根本的に変更されるため、社員にとっては新しいやり方への適応への不安や、自身の仕事のやり方・役割が変わることで少なからず現場に混乱が生じます。社員の負担を軽減するには、経営層と社員の情報共有を活発にし、会社全体の業務改革に向けた意思統一が必要です。
ボトムアップによるBPR推進の動きを促進する
BPRを実施する際は、経営層からのトップダウンによるアプローチが先行しやすいでしょう。経営層から現場社員に向けた業務改革に対する目的や目標の提示は不可欠ですが、経営層からの発信だけでは現場社員に当事者意識が生まれず、一方的な業務命令にしかならない場合もあります。並行して、現場社員によるボトムアップのアプローチが大切です。
会社全体を俯瞰する経営層の観点と、実際の業務現場で具体的な問題点や課題と向き合う社員の観点の両方からの取り組みが、目標達成には欠かせません。
PDCAサイクルを回し続け、BPRを定着させる
BPRによる業務改革は、一過性の改善策ではありません。常に新しい目標に向かう継続的な活動であることが重要です。変化し続けるビジネス環境に適応していくためにも、PDCAサイクルを回し続けてBPRを定着させましょう。
BPR(業務改革)に生かせる手法やサービス
BPR(業務改革)を実現するために使われる手法やサービスをご紹介します。
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用語
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概要
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|---|---|
| BPO | BPOとは、Business Process Outsourcingの略で、業務プロセスの外部委託を意味します。 詳しくはこちら> |
| シェアードサービス | シェアードサービスとは、グループ企業の基幹業務を1ヶ所に集約し、グループ全体の経営の効率化やコスト削減を図る手法です。 詳しくはこちら> |
| BPS | BPS(ビジネスプロセスサービス)とは、ビジネスプロセスにまつわる課題を解決するためのサービスです。 詳しくはこちら> |
| BPaaS | BPaaS(Business Process as a Service)とは、特定の業務プロセス全体を外部企業へアウトソーシングするクラウドサービスのことです。 詳しくはこちら> |
Adeccoのアウトソーシングサービスでは統合的なアプローチを強みにしています。
私たちはBPRの段階から企業に寄り添って伴走し、業務プロセスとフローの全体像を把握した上で業務改革を策定し、最適なBPO、BPaaS、BPSを提案します。
もしBPRの検討をされている場合は、お気軽にAdeccoへご相談ください。
Adeccoで実施したBPRの成功事例
実際にBPRに取り組んだ企業は、どのような課題に悩んでいて、それを解決へと導くことができたのでしょうか。アデコのBPRサービスを利用した企業の成功事例をご紹介します。
バックオフィス業務の標準化と自動化で生産性向上に貢献
ある運輸業界の企業では、約20の子会社を持つグループ全体のバックオフィス業務(経理、人事、調達など)について、非効率な業務プロセスを改革し、全社の生産性向上を目指していました。
そこでアデコは、業務の棚卸と標準化についてBPRを実施。RPAなどのデジタルツールを導入し、グループ全体の業務効率を改善しながら、3年をかけてコスト削減につなげています。
- <課題>
子会社ごとに業務プロセスが異なり、業務の重複や無駄が発生。
バックオフィスの業務プロセスを統一し、管理効率を高める必要があった。 - <効果>
共通業務フローを策定・導入したことで、子会社間の業務の標準化と平準化を促進。
RPAなどのデジタルツール導入により、定型業務の自動化を推進中。
アデコのサービスについて詳しくは下記のページでも解説しています。気になる方はこちらも併せてご確認ください。
企業の成長を支えるBPR戦略:BPO・BPaaS・BPSの活用事例について>
その他の事例を、下記のホワイトペーパーでもご紹介しています。こちらもぜひご確認ください。
失敗しないBPO・アウトソーシング「BPR」から始まる業務効率改革
この資料では、BPRの基本概念、BPOとBPSとの違い、成功事例、そしてボトムアップ型アプローチの重要性について具体的に紹介。
企業が業務を効率化し、競争力を強化するための実践的なアプローチを学ぶことができます。
BPRの効率的な推進が、企業の成長と競争力強化に直結する
BPRとは、社内の業務内容や組織構造、情報システムなどの抜本的な見直しなどを行う業務構造の再設計をさします。
BPOが一部業務の改善であるのに対して、BPRは組織全体の業務に関する抜本的な見直しで、BPRを進める上で採用される業務改善策のひとつがBPOです。
BPRが注目されている背景には、少子高齢化など社会構造の変化に対して、多くの企業が業務の効率化や最適化を見直す時期になっている点があげられます。
BPRの実施は、業務効率化やコスト削減など多くのメリットを期待できますが、現場社員の理解が得られない状況では、業務フローの変更や新たな業務システム導入による現場の混乱や反発のリスクに注意が必要です。
BPRを成功させるためには、トップダウンのアプローチだけでなく現場からのボトムアップのアプローチが重要です。BPRによる業務改革によって長期的な効果創出を目指す場合には、PDCAサイクルの継続による業務改革の定着を目指すことを意識しましょう。
アデコではAIを搭載したデジタルツールを活用したアウトソーシングをご提供しています。業務の品質を高め、生産性を向上し、貴社の組織改革の推進を一気通貫でサポートいたします。BPRの見直しによる業務効率化や生産性向上、従業員の負担軽減を検討されている企業担当者様は、ぜひ下記サイトよりアデコのアウトソーシングサービスをご活用ください。


