【2027年 最新情報】特定技能でリネンサプライ分野追加!人手不足の企業が行うべき事前準備
2026/05/01

2026年に入り、特定技能に新たな3分野が追加されることが閣議決定されました。3分野のうちのひとつがリネンサプライです。
本記事では、特定技能でリネンサプライ分野が追加される背景や、リネンサプライで従事できる業務や、特定技能で外国人労働者を雇用するメリットを紹介します。
なお、リネンサプライは2027年4月から開始が予定されている育成就労制度でも追加される分野です。記事内では、育成就労と特定技能の違いもわかりやすく紹介しています。
リネンサプライ分野で人手不足に悩んでおり、外国人労働者の雇用を考えている企業の方は参考にしてください。
この記事の目次
特定技能制度で新たに「リネンサプライ」分野が追加される背景
2026年1月23日に、特定技能の16分野に新たな3分野が追加されることが閣議決定されました。特定技能で新たに追加されるのは以下の3分野です。
- リネンサプライ
- 物流倉庫
- 資源循環
リネンサプライが追加される背景には、深刻な人手不足と将来的な外国人観光客増加による宿泊需要の拡大が挙げられます。
リネンサプライ分野の2024年度の有効求人倍率は3.71倍です。人手不足の状態ですが、政府は2030年に訪日外国人旅行者6,000万人を目標にしています。
2028年度に必要と見込まれるリネンサプライ分野の就業者数11万9,800人に対し、有効求人倍率から推定すると実際には2万100人程度不足する見込みです。
人手不足を解消するため、業界では省人化や生産性向上、賃上げや労働環境改善など国内人材確保に取り組んできました。
しかし、取り組みを考慮してもなお、7,700人程度の人手不足が見込まれています。そのため、外国人材の活用が必要と判断されました。
本格的な運用は2027年度からとされていますが、評価試験は2026年度中に整備・開始予定と見込まれています。特定技能のリネンサプライ分野で外国人労働者を受け入れる予定のある企業は、今のうちから制度の内容を理解し、早めの準備が大切です。
出典:法務省「リネンサプライ分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針及び育成就労に係る制度の運用に関する方針」
【2027年度から開始】特定技能制度で新規追加される「リネンサプライ」の概要

リネンサプライとは、ホテルや旅館、病院などで使われるシーツ・タオル・ガウンなどの繰り返し使用する繊維製品(リネン)を貸与し、使用後に回収して洗濯・仕上げ・検品・畳み・結束したうえで再び貸与する事業のことです。
日本標準産業分類で「リネンサプライ業」とされ、大分類では「生活関連サービス業、娯楽業」、中分類「洗濯・理容・美容・浴場業」、小分類では「洗濯業」とされています。
単にリネンを洗うだけでなく、品質を保ちながら循環的に供給するサービス全般をさします。
上記はあくまでもリネンサプライの定義です。特定技能では、リネンサプライ分野で在留資格を取得した際に従事できる業務や、単一分野での受け入れ見込み数が決められています。
- 特定技能制度の「リネンサプライ」分野で従事可能な業務内容
- 特定技能「リネンサプライ」分野での外国人材受け入れ見込み数・運用期間
- 育成就労での「リネンサプライ」分野の扱い
上記に分けて詳しく紹介するので、リネンサプライ分野での外国人材雇用を考えている方は参考にしてください。
特定技能制度の「リネンサプライ」分野で従事可能な業務内容
特定技能リネンサプライで従事できる業務は、技能実習2号(専門級)の必須業務および関連業務の全ての業務が想定されています。
業務内容はリネン類(ホテルリネン、病院・福祉リネン等)の契約先への貸し出し、使用済みリネン類の回収・洗濯仕上げ・納品業務で、具体的な内容は以下のとおりです。
| 区分 | 従事可能な業務 |
|---|---|
| 必須業務 | 仕上げ作業(機械投入作業、検品作業、結束・包装作業、機械操作作業、機械メンテナンス作業、仕上げ作業ラインの管理・指導作業)、安全衛生業務 |
| 関連業務 | 入荷・仕分け作業、洗濯作業、手投入作業、手畳み作業、染み抜き作業、補修作業、出荷準備作業 |
出典:法務省「特定技能制度及び育成就労制度の受入れ対象分野(新たに追加等を行う分野等)の詳細(案)」
特定技能「リネンサプライ」分野での外国人材受け入れ見込み数・運用期間
リネンサプライ分野では、2026年度(令和8年度)から2028年度(令和10年度)までの3年間の受け入れ見込み数を、分野全体で7,700人としています。
政府の見込みでは、2028年度に約2万100人の人手不足が見込まれており、そのうち、業務のシステム化や技能向上による生産性改善で約5,200人、賃上げ・労働環境改善で約7,200人の国内人材を確保する見込みです。
国内人材の確保を進めてもなお7,700人程度の不足が見込まれているため、7,700人を受け入れ見込み数に設定しています。
内訳は、1号特定技能外国人は2026年度からの3年間で4,300人です。育成就労外国人は2027年度からの2年間で3,400人を上限として受け入れる計画となっています。
出典:法務省「特定技能制度及び育成就労制度の受入れ対象分野(新たに追加等を行う分野等)の詳細(案)」
育成就労での「リネンサプライ」分野の扱い
技能実習制度の廃止に伴い、2027年度から開始が予定されている育成就労制度でもリネンサプライ分野での外国人材の雇用が検討されています。
育成就労は、3年間の就労を通じて特定技能1号相当の技能者を育成する制度です。育成就労を問題なく修了し、一定の要件を満たせば、将来的に特定技能1号へ移行できます。
つまり、特定技能は即戦力、育成就労は特定技能に相当する人材を育成・確保することを目的とした就労という位置付けです。
育成就労では、就労開始までに求められる日本語能力、技能水準のほか、育成就労を修了するまでに求められる水準も別途定められています。
また、育成就労のリネンサプライ分野では、リネンサプライ仕上げ作業を設定し、計画に基づいて技能習得に必要な業務に従事させていきます。
育成就労制度の方針や運用要領は、2026年1月23日に公表されました。育成就労制度のリネンサプライ分野で外国人労働者の雇用を検討している場合、詳細は確認しておきましょう。
以下の記事では、育成就労制度の概要を解説しています。あわせてご覧ください。
そもそも「特定技能」とは?
本項では特定技能制度を詳しく解説します。
特定技能の概要
日本で就労するには、就労が可能な在留資格が必要です。在留資格は複数の種類があり、特定技能はそのうちの一種です。
特定技能制度は、人材の確保が特に困難な状況にある特定産業分野で、一定の専門性・技能を有する外国人材の受け入れを促進するために国によって創設されました。受け入れ側にとっては、即戦力の人材を雇用できる点がメリットです。
特定技能人材の受け入れが可能な分野
特定技能制度で受け入れられる分野は以下のとおりです。
- 介護
- ビルクリーニング
- 工業製品製造業
- 建設
- 造船・舶用工業
- 自動車整備
- 航空
- 宿泊
- 農業
- 漁業
- 飲食料品製造業
- 外食業
- 自動車運送業
- 鉄道
- 林業
- 木材産業
上記分野のうち自動車運送業、鉄道、林業、木材産業の4分野は、2024年に新しく追加されました。また、2026年1月23日には「リネンサプライ」「物流倉庫」「資源循環」の3分野の新たな追加が閣議決定されました。この追加により、特定技能制度の対象業種は19分野となります。
これらの追加された3分野については、関係省令等の準備が整い次第、受け入れが可能となる予定です。
特定技能は制度の見直しや分野の追加がたびたび行われているため、最新情報は常にチェックしましょう。
特定技能1号と2号の違い
特定技能の在留資格は、1号と2号に分類されます。
特定技能1号は、原則として技能および日本語の検定に合格し取得できます。また、技能実習を良好に修了し取得する方法も存在しますが、技能実習を良好に修了した場合でも、特定技能へ試験免除で移行できるのは、対応する職種・作業が定められている分野に限られます。新たに追加された分野については、技能実習との対応関係が整備されていない場合があり、その場合は評価試験の合格が必要です。
ただし、2024年に新しく追加された4分野(自動車運送業、鉄道、林業、木材産業)と、2027年度から追加される3分野(リネンサプライ、物流倉庫、資源循環)は1号のみで、2026年2月時点では2号には含まれていません。
特定技能1号の在留期間は通算で5年までです。配偶者や子といった家族の帯同は原則として認められていません。
また、特定技能1号の受け入れ機関は、適切な支援計画を作成し、計画に基づいたサポートを行わなければならないとされています。
一方で、特定技能2号は、1号より高い技術力が必要な検定や実務経験により取得できます。2号は在留期間が無期限となり、要件を満たせば配偶者・子の帯同が許可されます。1号と異なり、2号は受け入れ機関による支援の対象外です。
リネンサプライを含む特定の分野は、1号のみしか認められていませんが、元々1号のみだった他分野で2号取得が可能になった例もあるため、制度の見直しにより、今後追加されることも予想されます。政府から発信される最新情報を確認しましょう。
なお、介護分野は移行先として「介護」の在留資格が個別に設定されています。
特定技能「リネンサプライ」の在留資格を取得する方法
続いて、リネンサプライの在留資格を取得する方法を紹介します。
- 技能試験および日本語能力の検定に合格する
- 技能実習2号や育成就労からの移行は可能?
- 特定技能を取得するために外国人本人が満たすべき要件
それぞれ詳しくみていきましょう。
技能試験および日本語能力の検定に合格する
分野ごとに定められた技能検定および日本語能力検定の両方に合格すると、特定技能1号の在留資格を取得できます。
技能評価試験では、一定の基準以上の点数の獲得が必要です。日本および一部の海外で受験でき、受験できる国や試験の内容は各分野で異なります。試験内容は知識や判断力を問う学科試験のほか、実技試験が含まれる分野も存在します。
リネンサプライでは、以下の試験に合格する必要があります。
- リネンサプライ分野特定技能1号評価試験の合格
- 日本語教育の参照枠A2相当以上(例:JFT-Basic合格、またはJLPT N4以上)
日本語教育の参照枠とは、外国人等が継続的かつ適切な日本語教育を受けられるよう、日本語の習得段階に応じて必要な教育内容・方法・評価を示す共通の基盤として策定された枠組みです。
日本語の4技能(聞く・話す・読む・書く)を6段階の熟達レベルに設定しており、リネンサプライで求められるA2の定義は「ごく基本的な個人情報や家族情報、買い物、近所、仕事など、直接的関係がある領域に関する、よく使われる文や表現が理解できる。簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄についての情報交換に応じることができる」です。
熟練度によって各段階は細分化される場合もありますが、特定技能では一般的に「日本語能力試験N4以上」または「JFT-Basic(A2相当)」が基準とされています。
技能実習2号や育成就労からの移行は可能?
特定技能に移行する手段のひとつとして技能実習の良好修了が挙げられます。現行の制度では、特定の分野で技能実習2号を修了した者は、条件を満たすことで同分野の特定技能1号への移行が可能です。
しかし、リネンサプライ分野では、技能実習2号修了後に特定技能へ移行できるとの運用基準は公表されていません。ただし、2026年2月時点での情報であり、今後見直しや調整が行われる可能性があります。
なお技能実習とは、外国人が日本で得た知識や技術を自国に持ち帰って活用するための制度で、発展途上地域への技術移転による国際貢献を目的に創設されました。
現行の技能実習制度は、転職が規制されていることで外国人労働者の立場が弱くなりやすい点が問題視されており、政府は「育成就労制度」への移行を予定しています。新しい制度では転職制限が緩和され、特定技能への移行もしやすくなる見通しです。
なお、育成就労制度ではリネンサプライ分野の運用が予定されています。そのため、条件を満たせば育成就労から特定技能1号への移行は可能です。
特定技能を取得するために外国人本人が満たすべき要件
特定技能の在留資格を取得する場合、外国人本人が満たすべき共通の基準は以下のとおりです。
- 18歳以上である
- 健康状態が良好である
- 退去強制の円滑な執行に協力する国が発行した有効なパスポートを所持している
- 保証金を徴収されていない
- 外国の機関に費用を支払っている場合は、内容に合意している
- 送り出し国で遵守すべき手続が定められている場合、手続を経ている
- 食費・居住費など外国人が定期的に負担する費用の内容に合意している。また該当の費用の額が実費相当額その他の適正な額であり、明細書その他の書面が提示されている
- 分野特有の基準に適合している(※分野所管省庁の定める告示で規定)
- 特定技能1号の場合、特定技能1号での在留期間が通算5年に達していない
技能実習を修了済みまたは検定に合格済みの場合でも、要件を満たさない場合は特定技能の資格を取得できません。
出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受け入れる際のポイント」
特定技能「リネンサプライ」で外国人材を雇用するメリット

続いて、リネンサプライで特定技能人材を受け入れる場合のメリットを解説します。
一定水準以上の知識や技能を有した人材を確保できる
特定技能人材は、一定水準以上の知識やスキルを採用前に把握できる点が特徴です。日本語能力が高い外国人も多く、教育効率も高まります。特定技能人材は、即戦力を要する事業者と相性の良い人材です。
幅広い業務への従事が可能
技能実習制度では、技能実習生の受け入れ人数に制限があり、所定の人数までしか雇用できません。また、従事できる業務内容が職種・作業ごとに定められています。
特定技能は分野ごとに受入れ見込み数(上限)が設定されていますが、企業ごとの人数枠は原則設けられていません。人手不足が深刻な分野では大きなメリットです。
長期の就労が期待できる
特定技能1号の在留期間は通算5年までです。
また、2号は在留期間が無期限化します。人材の定着は受け入れ側にもメリットです。結果として、採用コストの削減効果も見込めます。
特定技能は、すでに日本に在留している外国人も取得できるため、取得が見込まれる人材がいれば移行を促してみるのも良いでしょう。
ただし、現時点でリネンサプライの特定技能2号は発表されていません。しかし、制度の見直しにより2号が追加された分野もあるため、リネンサプライでも今後2号が追加される可能性があります。
特定技能は制度の見直しが定期的に行われているため、最新の情報をチェックすることが大切です。
特定技能「リネンサプライ」で外国人材を受け入れる際に企業が注意すべき点
リネンサプライ分野で特定技能外国人労働者を受け入れる際の注意点として、以下を紹介します。
- 特定技能受け入れ機関の基準
- 特定技能外国人の受け入れ後に企業がやらなければならないことは?
特定技能受け入れ機関の基準
特定技能人材の受け入れ機関が満たすべき基準は以下のとおりです。
- ①外国人と締結する雇用契約が適切である(記載すべき事項が揃っており、賃金水準は日本人と同等以上)
- ②受け入れ機関自体が適切である(法令を遵守している・欠格事由に該当しないなど)
- ③外国人を支援する体制がある
- ④外国人を支援する計画が適切である(受け入れ機関は、1号特定技能人材を支援する計画を作成し、計画に基づいた支援の実施が必要)
加えて、リネンサプライ分野特有の事業を鑑みて講じられる措置は以下のとおりです。
| 項目 | 概要 |
|---|---|
| ① 衛生基準の遵守 | 業界団体が定める衛生基準の認定を受けた施設でのみ、1号特定技能外国人を受け入れる必要がある |
| ② 協議会への加入 | 厚生労働省が設置する、リネンサプライ分野の特定技能に関する分野別協議会の構成員となることが求められる |
| ③ 協議会決定事項の実施 | 特定技能の協議会で合意された措置を、所属機関として確実に講じる必要がある |
| ④ 協議会への協力 | 協議会の運営や取組に対し、必要な協力を行う義務がある |
| ⑤ 調査・指導への協力 | 厚生労働省または委託先が実施する調査や指導に対し、適切な協力が求められる |
| ⑥ 実務経験の証明 | 特定技能外国人から求めがあった場合、雇用契約に基づくリネンサプライ分野での実務経験を証明する書面または電磁的記録を交付・提供する |
たとえば、特定技能でリネンサプライ分野の外国人を受け入れる企業は、所定の衛生基準を満たす事業所であることが求められます。
具体的には、(一社)日本リネンサプライ協会が定める「リネンサプライ業に係わる洗濯施設及び設備に関する衛生基準」または、(一財)医療関連サービス振興会が定める「寝具類洗濯業務に関する基準(認定基準)」の認定を受けていることが条件として想定しています。
上記は技能実習2号と同様の枠組みです。加えて、特定技能全体の方針として、適切な衛生管理体制と設備を備えた事業者であることも求められています。
リネンサプライ分野で外国人労働者を雇用する前に、制度の基準に従って準備を行いましょう。
特定技能外国人の受け入れ後に企業がやらなければならないことは?
特定技能人材の受け入れ機関には一般的に以下の義務が課されます。
- 外国人と締結した雇用契約を確実に履行する
- 外国人への支援を適切に実施する(1号のみ)
- 出入国在留管理庁およびハローワークへの各種届出
- 報酬は預貯金口座への振込に限定する
上記は特定技能を受け入れる機関の義務です。怠ると、外国人の雇用ができなくなるほか、行政から指導や改善命令を受ける対象になります。また、各種届出を怠ったり、虚偽の届出を行ったりすると罰則の対象になるため注意しましょう。
外国人労働者を雇用する際のメリットやデメリット、雇用時の手続きは以下の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
2027年度の特定技能リネンサプライ追加前に企業は準備を!支援機関への委託も検討しよう
訪日客は年々増加しており、宿泊需要拡大で人手不足が深刻化しています。国内での人材確保だけでは不足するため、外国人材の受け入れにより安定供給体制を確保する目的で、特定技能リネンサプライの追加が閣議決定されました。
本格的な運用は2027年度からですが、2026年度中に評価試験が開始される見込みです。リネンサプライ分野で特定技能外国人労働者を雇用することを考えている企業の方は、早めに準備しましょう。
ただし、規則で定められた基準に反すると、外国人労働者の受け入れ停止措置や行政指導の対象になります。そのため、はじめて外国人労働者を雇用するなら、専門的な機関に頼ることも大切です。
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