特定技能

訪問介護(ホームヘルプサービス)で特定技能外国人が従事可能に!概要や注意点を解説

16th of October, 2025

訪問介護(ホームヘルプサービス)で特定技能外国人が従事可能に!概要や注意点を解説

訪問介護は介護分野の職業のひとつです。介護に対する需要は高まっているものの、人手不足をはじめとする課題も多く、事業の継続性に悩んでいる事業者も多いのではないでしょうか。

本記事では、訪問介護業界が抱える課題や解決の方法を紹介します。近年採用が可能になった特定技能外国人に関する制度改正の内容や注意点も紹介するので、人手不足に悩んでいる事業者の方や人事担当の方はぜひ参考にしてください。

訪問介護(ホームヘルプサービス)とは?

訪問介護とは、高齢者や障害のある方が自宅で安心して生活を続けられるよう、ホームヘルパーが利用者宅を訪問し、食事・入浴・排泄などの身体介護や、掃除・洗濯・買い物・調理などの生活援助を行うサービスです。一部の事業所では通院時の送迎や移動介助も提供しています。

主な仕事内容や事業所数の推移

訪問介護は、サービスの内容に応じて大きく以下の3つに分類されています。

区分 概要
身体介護 利用者の身体に直接接触して行われるサービス(入浴介助・排せつ介助・食事介助など)
生活援助 身体介護以外で、利用者が日常生活を営むことを支援するサービス(調理・洗濯・掃除など)
通院等乗降介助 通院等のための乗車または降車の介助(乗車前・降車後の移動介助などの一連のサービス行為を含む)

出典:厚生労働省「訪問介護」

訪問介護の請求事業所(当該審査月に保険請求のあった事業所)数の推移は、以下のとおりです。

訪問介護 請求事業所数 推移

出典:厚生労働省「介護給付費等実態統計」※各年4月審査分

近年で比較すると微増傾向ですが、平成19年(2007年)時点の2万5,685か所と比較すると、約1万か所増加しています。

訪問介護の請求事業所数が年々増加している背景には、急速な高齢化による在宅介護ニーズの拡大と、国が推進する地域包括ケア政策の影響があります。自宅での生活を希望する高齢者が増え、在宅支援への需要が高まる中、訪問介護事業への新規事業者の参入や、事業所の小規模化・細分化や複数拠点化も進み、請求事業所数の増加につながっています。

ニーズの増加はしているものの、訪問介護業界はさまざまな課題を抱えています。

訪問介護業界が抱えている課題

訪問介護業界が抱えている主な課題は以下のとおりです。

  • 少子高齢化にともなうニーズの増加と人手不足
  • 離職率の高さによる業務負担増加
  • 業界で比較した際の給与水準の低さ
  • 訪問介護事業所ごとの課題

それぞれ詳しく紹介します。

少子高齢化にともなうニーズの増加と人手不足

訪問介護業界は、少子高齢化の進行により介護サービスの需要が年々増加しています。住み慣れた家や地域で生活したい高齢者も少なくありません。訪問介護の需要も少子高齢化とともに増加していくことが予想されます。

一方、介護業界は若年層の介護職離れや全体的な労働人口の減少も相まって、深刻な人手不足に陥っている業界です。

厚生労働省の資料によると、日本の総人口は2020年から減少すると見込まれています※1。2020年時点での総人口は1億2,615万人です。2070年には8,700万人まで減少するとされており、2020年に28.6%だった高齢化率(65歳以上の人口割合)は、38.7%まで上昇すると推計されています。

全国の介護保険サービス事業を実施する事業所を対象に行われたアンケートでは、介護職のなかでも訪問介護員の不足感が特に高いこともわかっています。

業種 不足感
(やや不足、不足、大いに不足と解答した割合の合計)
訪問介護員 83.5%
サービス提供責任者 37.2%
介護職員 69.3%
看護職員 47.2%
生活相談員 23.3%
PT・OT・ST等 30.3%
介護支援専門員 37.7%

出典:厚生労働省「人材不足への対応~介護労働実態調査結果からみた課題と取組事例~」

今後の高齢化に備え、訪問介護の人手不足は解決すべき問題のひとつです。人手不足の原因や影響、対策は以下の記事でも紹介しています。あわせてご覧ください。

あわせて読みたい
労働者がいなくなる?人手不足の原因と影響、企業が取り組む5つの対策を解説

※1 出典:厚生労働省「「2040年に向けたサービス提供体制等のあり方」現状と課題・論点について」

離職率の高さによる業務負担増加

介護業界の離職率は減少傾向にあるものの、令和5年度で13.1%、採用率は産業計に比べて低く、依然厳しい状況にあります※2

厚生労働省の資料によると、「第9期介護保険事業計画」の介護サービス見込み量等に基づき、都道府県が推計した介護職員の必要数は2022年度から26年度にかけて25万人の増加、40年度までには57万人増加するとされています※3。有効求人倍率も全業種に比べて高い水準です。

人手不足がより深刻化すると、一人あたりの業務負担がさらに増加します。介護職は人の命に関わるため、肉体的な負担だけではなく、精神的な負担も大きい業種です。人手不足により業務負担が増加すると、さらに離職率も高まることが予想されます。

悪循環に陥らないため、早急な対策が必要です。

※2 出典:厚生労働省「「2040年に向けたサービス提供体制等のあり方」現状と課題・論点について」
※3 出典:厚生労働省「介護人材確保の現状について」

業界で比較した際の給与水準の低さ

訪問介護は介護職のなかでも給与の水準が高くありません。

厚生労働省が令和6年賃金構造基本統計調査に基づいて作成したデータによると、賃金状況は以下のとおりです。

分類 賞与込み給与
単位:万円
産業計 38.6
医師 92.3
看護師 41.6
准看護師 34.4
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士 35.6
介護支援専門員(ケアマネジャー) 34.5
訪問介護従事者 29.9
介護職員(医療・福祉施設等) 30.4

出典:厚生労働省「介護職員の処遇改善について」

給与水準の低さは離職率や人手不足の深刻化につながる要因であり、解決が求められる課題のひとつです。

訪問介護事業所ごとの課題

訪問介護サービスの事業所別に課題があるケースも少なくありません。

たとえば、介護関係者が退職する理由として、人間関係や職場の理念・運営体制、労働条件への不満が多く挙げられています。平成20年度介護労働実態調査のアンケート結果を参考にすると、介護職のうち、訪問系の労働条件の悩み・不満の内容と割合は以下のとおりです。

内容 回答割合
仕事内容のわりに賃金が低い 51.8%
人手が足りない 44.0%
業務に対する社会的評価が低い 41.9%
休憩がとりにくい 26.9%
休暇が少ない・とりにくい 26.9%
身体的負担が大きい(腰痛や体力に不安がある) 30.9%
精神的にきつい 34.2%
夜間や深夜時間帯に何か起きるのではないかと不安がある 11.4%
福祉機器の不足、機器操作の不慣れ、施設の構造に不安がある 4.3%
不払い残業がある・多い 9.2%
労働条件・仕事の負担について特に悩み、不安・不満等は感じていない 7.3%

出典:厚生労働省「介護労働の現状について」

それぞれの事業所の課題に応じた職場環境を改善する施策が求められます。

訪問介護業界の人手不足解消に向けた具体的な取り組み

訪問介護業界の人手不足を解消するため、国主導で以下の施策が進められています。

  • 労働環境や処遇改善
  • 介護ロボット・ICTの活用による業務効率化
  • 外国人材の受け入れによる採用活動の強化

それぞれ詳しく紹介します。

労働環境や処遇改善

厚生労働省では、介護現場で働く職員の処遇を改善するための「介護職員等処遇改善加算」と呼ばれる制度を実施しています。

介護職員等処遇改善加算とは、介護職員の給与や待遇を改善するために、介護サービス事業者が介護報酬に上乗せして受け取れる加算制度です。加算を受けた事業所は、加算に応じた介護職員の賃金改善(給与アップや手当、処遇改善など)が求められます。

5区分に分けられ、それぞれに設定された要件を満たすと、それに応じた加算が受けられます。

区分 満たすべき条件 加算率
共通 区分ごと
加算I
  • 職場環境等要件
  • 月額賃金改善要件I
キャリアパス要件I〜Ⅴ 24.5%
加算II キャリアパス要件I〜Ⅳ 22.4%
加算Ⅲ キャリアパス要件I〜Ⅲ 18.2%
加算Ⅳ キャリアパス要件I〜II 14.5%

出典:厚生労働省「介護事業所の皆さまへ」
出典:厚生労働省「処遇改善加算がさらに取得しやすくなります!」

それぞれの要件の概要は以下のとおりです。

分類 概要 備考
キャリアパス要件I
(任用要件・賃金体系)
介護職員について、職位、職責、職務内容等に応じた任用等の要件を定め、それらに応じた賃金体系を整備する 申請時点で未対応であっても、令和7年度中(令和8年3月末まで)に対応することの誓約で可
キャリアパス要件II
(研修の実施等)
介護職員の資質向上の目標や以下(a・b)のいずれかに関する具体的な計画を策定し、当該計画に係る研修の実施または研修の機会を確保する

a:研修機会の提供または技術指導等の実施、介護職員の能力評価
b:資格取得のための支援(勤務シフトの調整、休暇の付与、費用の援助等)
キャリアパス要件Ⅲ
(昇給の仕組み)
介護職員について以下のいずれかの仕組みを整備する

a:経験に応じて昇給する仕組み
b:資格等に応じて昇給する仕組み
c:一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組み
キャリアパス要件Ⅳ
(改善後の賃金額)
経験・技能のある介護職員のうち1人以上は、賃金改善後の賃金額が年額440万円以上であること 440万円以上の賃上げが困難な場合は免除
キャリアパス要件Ⅴ
(介護福祉士等の配置)
サービス類型ごとに一定割合以上の介護福祉士等を配置していること -
職場環境等要件 【加算I・Ⅱ対象】
6の区分ごとにそれぞれ2つ以上(生産性向上は3つ以上、うち一部は必須)取り組む。情報公表システム等で実施した取組の内容について具体的に公表する
【加算Ⅲ・Ⅳ対象】
6の区分ごとにそれぞれ2つ以上(生産性向上は3つ以上)取り組む
  • 「介護人材確保・職場環境改善等事業」を申請している場合は免除
  • 申請時点で未対応であっても、令和7年度中(令和8年3月末まで)に対応することの誓約で可
月額賃金改善要件I 新加算Ⅳ相当の加算額の2分の1以上を、月給(基本給または決まって毎月支払われる手当)の改善に充てる -

出典:厚生労働省「介護事業所の皆さまへ」

令和6年度報酬改定では、介護職員の処遇改善のための措置をできるだけ多くの事業所に活用されるよう推進する観点から、3種類の加算の一本化が行われました。また、令和6年度に2.5%、令和7年度に2.0%のベースアップが確実につながるよう、加算率も引き上げられています。

改善の結果、令和5年度と令和6年度を比較すると、基本給与(月給・常勤の者)は1万1,130円、平均給与額は1万3,960円アップする成果をあげています。

介護ロボット・ICTの活用による業務効率化

介護ロボットとは、介護の現場で業務負担軽減やケアの質を向上させるために導入するロボットのことです。ICT(Information and Communication Technology)は、情報技術と通信技術の両方を含む新技術をさします。

介護ロボットやICTは、介護職員の離職防止、定着促進、生産性向上に向けた取り組みとして、厚生労働省でも推進されている技術です。導入の手引きなど、ガイドラインも用意されています。

訪問介護の現場でも移乗介助を補助する介護ロボットが導入されており、介護者の負担軽減や作業効率アップに役立っています。

外国人材の受け入れによる採用活動の強化

介護の現場では、外国人材の受け入れも進んでいます。なかでも在留資格「特定技能」は、人材不足の解消を目的として推進されている制度です。

訪問系の介護サービスでは、令和7年4月から特定技能外国人の受け入れが可能になりました。詳しくは後述しているので、人手不足を解決するための手段として検討してください。

外国人労働者を雇用するメリットや受け入れの手順、注意点は別の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

あわせて読みたい
外国人労働者を雇用するメリットは?受入れの手順や注意点をわかりやすく解説

訪問介護(ホームヘルプサービス)を含む介護業界での外国人材の活用状況

介護業界での外国人材の活用状況を、以下に分けて紹介します。

  • 介護業界の外国人材受け入れ制度
  • 介護業界の特定技能在留外国人数の現状

外国人材の受け入れを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

介護業界の外国人材受け入れ制度

介護業界での外国人材受け入れに関しては、以下の4つの制度が採用されています。

制度 制度の趣旨 在留者数
EPA(経済連携協定) 二国間の経済連携の強化 3,252人
(うち資格取得者452人)
(令和7年3月1日時点)
在留資格「介護」 専門的・技術的分野の外国人の受け入れ 1万468人
(令和6年6月末時点)
技能実習 本国への技能移転(法案成立により育成就労制度に見直し) 2万65人
(令和6年末時点)
特定技能1号 人手不足対応のための一定の専門性・技能を有する外国人の受け入れ 5万2,955人
(令和7年5月時点)

出典:厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」

上記のうち、人手不足に対応するための制度は特定技能です。在留者数もほかの制度に比べて多い傾向にあります。特定技能は介護職だけでなく、さまざまな分野で活用されている制度です。

特定技能外国人の受け入れが可能な分野は以下の記事で紹介しています。あわせてご覧ください。

あわせて読みたい
特定技能の受け入れ職種まとめ!16分野の一覧をわかりやすく解説

特定技能は在留資格の一種です。これまでで12分野14業種のみが対象でしたが、16分野での受け入れが可能になることが発表されました。特定技能の在留資格は技能実習を良好に修了するか所定の検定で基準以上の成績を収めれば取得できます。特定技能は1号と2号の分類があり在留期間や受け入れ分野が異なります。

介護業界の特定技能在留外国人数の現状

前述のとおり、人材不足解消を目的とした制度である特定技能は、さまざまな業界で活用されています。令和7年5月末の特定技能在留外国人数の現状は以下のとおりです。

区分 在留外国人数
総数 32万1,740人
介護分野 5万2,955人
ビルクリーニング分野 7,187人
工業製品製造業分野 4万9,320人
建設分野 4万2,744人
造船・舶用工業分野 1万374人
自動車整備分野 3,590人
航空分野 1,740人
宿泊分野 1,108人
自動車運送分野 3人
鉄道分野 17人
農業分野 3万3,739人
漁業分野 3,757人
飲食料品製造業分野 8万1,218人
外食業分野 3万3,988人

上記のとおり、介護分野は飲食料品製造業分野に次いで人数が多い分野です。令和6年6月末では3万6,719人でした※4。1年間で約70%増加していることから、外国人材の採用が進んでいることがわかります。

なお、特定技能には1号と2号があります。特定技能2号は1号よりも専門性・熟練度が高く、在留期間の更新に上限がありません。条件を満たせば家族帯同も可能です。しかし、技能試験の合格や一定の実務経験など、1号より厳しい要件が定められています。

介護分野では、特定技能2号と条件が近いものに在留資格「介護」があるため、2号が設けられていません。特定技能1号と2号の違いは以下の記事でも詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

あわせて読みたい
特定技能とは?知っておくべき制度の詳細や人事担当の役割まで解説

※4 出典:法務省「特定技能制度運用状況」

令和7年4月から訪問介護系サービスでも特定技能外国人の採用が可能に

訪問介護を含む訪問系介護サービスでは、業務内容の特性を踏まえ、特定技能外国人の従事が認められていませんでした。しかし、訪問系介護サービスでも従事可能との法改正が行われ、令和7年4月21日に施行されました。

現在は、介護職員初任者研修を修了した有資格者等であることを前提とし、事業者に特定の事項や条件を定めた上で、外国人材でも訪問系介護サービスへの従事が可能と認められています。

訪問介護の特定技能に関して、以下の項目に分けて詳しく紹介します。

  • 訪問介護で特定技能外国人の受け入れが可能な業務
  • 訪問介護で特定技能外国人を受け入れるために必要な費用
  • 訪問介護で特定技能外国人を受け入れる流れ

訪問介護サービスで外国人の受け入れを検討している方は参考にしてください。

訪問介護で特定技能外国人の受け入れが可能な業務

令和7年4月21日より、新たに特定技能の受け入れが可能になったサービスは以下のとおりです。

  • 訪問介護
  • 訪問入浴介護
  • 夜間対応型訪問介護
  • 介護予防訪問入浴介護
  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
  • 訪問型サービス(総合事業)

訪問介護は、利用者の家族とも関わる仕事です。そのため、特定技能外国人を雇用する際には、利用者・家族・近隣とのコミュニケーション能力や、日本の生活様式に関する研修の実施が義務付けられています。

また、介護事業所等での実務経験が1年以上必要であることや、利用者や家族には事前の説明も必要などの事項が定められている点にも注意しましょう。詳しくは後述しています。

訪問介護で特定技能外国人を受け入れるために必要な費用

訪問介護で特定技能外国人を受け入れる際には、以下の費用が発生します。

  • 紹介手数料:20万〜50万円
  • 在留資格申請・変更費用:10万〜20万円
  • 在留資格更新費用:4万〜8万円
  • 登録支援機関への委託費用:一人あたり24万〜48万円/年
  • 渡航費:5万〜10万円
  • 社宅準備費用:20万円前後(住居による)
  • 給与・福利厚生費など:日本人職員と同等以上

渡航費や社宅準備費等を除いた初期費用の一般的な目安は80万円程度です。なお、特定技能外国人の受け入れにあたり、以下の費用は本人に直接・間接的に負担させないことが求められています。

  • 事前ガイダンス
  • 生活オリエンテーション
  • 相談・苦情対応及び定期的な面談の実施に係る通訳人の通訳費用
  • 特定技能外国人の出入国の送迎に要する交通費等

ただし、雇用契約終了後の帰国費用に関しては本人負担で問題ありません。

訪問介護で特定技能外国人を受け入れる流れ

訪問介護で特定技能外国人を受け入れるまでの流れ(採用スケジュール)を簡潔に紹介します。

介護分野で特定技能外国人を受け入れる場合、前提として「介護分野における特定技能協議会」の構成員になる必要がある点に注意しましょう。

【はじめて特定技能外国人を受け入れる場合】

  1. 協議会へ申請・事業所情報の登録
  2. 必要書類の提出
  3. 要件確認後に「協議会入会証明書」を発行
  4. 地方出入国在留管理局に必要書類の提出・申請
  5. 外国人の受け入れ
  6. オリエンテーションや研修を行い特定技能外国人が就労を開始
  7. 協議会申請システムへ外国人情報を入力し必要書類を提出(就労開始後4ヶ月以内)

【協議会入会済みかつ登録済みの事業所で特定技能外国人を受け入れる場合】

  1. 必要に応じて入会証明書の有効期限の更新手続き
  2. 地方出入国在留管理局に必要書類の提出・申請
  3. 外国人の受け入れ
  4. オリエンテーションや研修を行い特定技能外国人が就労を開始
  5. 協議会申請システムへ外国人情報を入力し必要書類を提出(就労開始後4ヶ月以内)

【協議会入会済みかつ登録されていない事業所で特定技能外国人を受け入れる場合】

  1. 協議会へ受け入れ予定の事業所情報を登録
  2. 必要書類を提出
  3. 要件確認後に「協議会入会証明書」を発行
  4. 地方出入国在留管理局に必要書類の提出・申請
  5. 外国人の受け入れ
  6. オリエンテーションや研修を行い特定技能外国人が就労を開始
  7. 協議会申請システムへ外国人情報を入力し必要書類を提出(就労開始後4ヶ月以内)

協議会への手続きは全てオンライン上(協議会申請システム上)の手続きです。郵送やFAXには対応していません。入会申請時や外国人登録時には以下の書類が必要です。

項目 必要書類
入会申請時
(受け入れ予定の事業所ごとに計2点)
①「事業所の指定通知書」
②「介護分野における業務を行わせる事業所の概要書等(分野参考様式第1-2号)」
外国人登録時
(外国人ごとに計3点)
①「雇用条件書(別紙「賃金の支払」含む)(参考様式第1-6号)」
②「1号特定技能外国人支援計画書(参考様式第1-17号)」
③「在留カード写し」
(①②は、地方出入国在留管理局へ提出した最新書類の写しを提出)

出典:厚生労働省「「介護分野における特定技能協議会」手続きの流れ」

以下の記事では特定技能外国人「介護」の受け入れ可能施設や要件、注意点を紹介しています。あわせてご覧ください。

あわせて読みたい
特定技能外国人「介護」の受け入れ可能施設|要件や注意点をご説明

訪問介護で特定技能の外国人材を受け入れるメリット

訪問介護で特定技能人材を受け入れる場合のメリットを解説します。

  • 一定水準以上の技能が証明されている
  • 人手不足解消に貢献する
  • 通算5年まで従事できる

一定水準以上の技能が証明されている

特定技能人材は、一定水準以上の知識やスキルを採用前に把握できる点が特徴です。日本語能力が高い外国人も多く、教育効率も高まります。特定技能人材は、即戦力を要する事業者と相性の良い人材です。

人手不足解消に貢献する

技能実習制度では、技能実習生の受け入れ人数に制限があり、所定の人数までしか雇用できません。また、従事できる業務の内容や就労時間も限定的です。

特定技能の介護分野では、1号特定技能外国人を事業所単位で「日本人等の常勤介護職員の総数を上限」として採用できます。たとえば、日本人等の常勤介護職員の総数が10人なら、1号特定技能外国人を10人まで受け入れ可能です。

特定技能外国人は一定水準の技能を有する人材のため、即戦力としての活躍も期待できます。人手不足が深刻な分野では大きなメリットです。

通算5年まで従事できる

特定技能1号の在留期間は通算5年までですが、継続した5年間でなくても良いとされています。たとえば、繁忙期のみ雇用して帰国するサイクルを通算5年に達するまで繰り返す形態も可能です。

在留期間内であれば継続的に雇用できるため、人材の定着は受け入れ側にもメリットです。結果として、採用コストの削減効果も見込めます。

特定技能は、すでに日本に在留している外国人も取得できるため、取得が見込まれる人材がいれば移行を促してみるのも良いでしょう。

訪問介護で特定技能外国人を従事させる際の注意点

訪問介護で特定技能外国人を従事させる際は以下の点に注意しましょう。

  • 特定技能受け入れ機関に定められた基準・条件を満たす
  • 特定技能受け入れ機関に定められた義務を遵守する
  • 労働環境や教育制度に関する事項を遵守する

特定技能受け入れ機関に定められた基準・条件を満たす

特定技能受け入れにあたり、受け入れ機関に定められている条件は以下のとおりです。

①事業所で受け入れることができる1号特定技能外国人は、事業所単位で、日本人等の常勤介護職員の総数を上限とすること
②特定技能所属機関は、厚生労働省が組織する「介護分野における特定技能協議会」(以下「協議会」という)の構成員になること
③特定技能所属機関は、協議会に対し、必要な協力を行うこと
④特定技能所属機関は、厚生労働省またはその委託を受けた者が行う調査または指導に対し、必要な協力を行うこと

出典:出入国在留管理庁「介護分野」

また、関連法令では以下の基準も定められているため、遵守しましょう。

分類 内容
特定技能雇用契約が満たすべき基準 ①分野ごとに定められた必要な技能を持つ業務に従事させること
②所定労働時間が日本人社員と同等であること
③報酬が日本人と同等以上であること
④国籍を理由に待遇で差別しないこと
⑤希望があれば一時帰国の休暇を与えること
⑥派遣の場合、派遣先や期間が明確であること
⑦帰国旅費を負担できない場合は受け入れ側が負担し、円滑な出国を支援すること
⑧健康や生活状況を把握するための措置を取ること
⑨分野所管省庁の定める告示で規定された分野特有基準を満たすこと
受け入れ機関自体が満たすべき基準 ①労働・社会保険・税法を守っていること
②1年以内に同職種の労働者を不本意に解雇していないこと
③1年以内に受け入れ側の責任で行方不明者を出していないこと
④出入国・労働法令違反などの欠格事由がないこと
⑤活動内容の記録を作成し、契約終了後1年以上保管すること
⑥保証金徴収を知りながら契約していないこと
⑦違約金を定めた契約を結んでいないこと
⑧支援費用を外国人に負担させないこと
⑨派遣の場合、派遣元・派遣先が基準に適合していること
⑩労災保険の手続きを行っていること
⑪雇用契約を継続できる体制が整っていること
⑫報酬を口座振込などで支払うこと
⑬分野特有の基準を満たしていること
受け入れ機関自体が満たすべき基準(支援体制関係) ①以下のア・イのいずれかに該当すること
ア:過去2年間に中長期在留者(就労資格のみ)の受け入れまたは管理を適正に行った実績があり、かつ、役職員の中から支援責任者及び支援担当者(事業所ごとに1名以上。以下同じ)を選任していること(支援責任者と支援担当者は兼任可。以下同じ)
イ:役職員で過去2年間に中長期在留者(就労資格のみ)の生活相談等に従事した経験を有するものの中から支援責任者及び支援担当者を選任していること
②外国人が理解できる言語で支援できる体制があること
③支援状況の記録を作成し、契約終了後1年以上保管すること
④支援責任者・担当者が中立に支援を実施でき、欠格事由がないこと
⑤過去5年以内に支援計画の不履行がないこと
⑥外国人やその監督者と定期的に面談できる体制があること
⑦分野特有の基準を満たしていること

出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受け入れる際のポイント」

上記は特定技能制度全体を対象にした基準です。分野別の基準もあるため、各種に目を通し、遵守しましょう。

特定技能受け入れ機関に定められた義務を遵守する

特定技能受け入れ後には、定められた義務を遵守する必要があります。具体的な内容は以下のとおりです。

①外国人と結んだ雇用契約を確実に履行する
②外国人への支援を適切に実施する
(支援については、登録支援機関に委託も可)
③出入国在留管理庁へ各種届出を行う

出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受け入れる際のポイント」

虚偽の届出や報告を行うと、指導や改善命令、懲罰の対象になるため注意しましょう。特定技能外国人受け入れ後に必要になる特定技能定期報告に関しては以下の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

あわせて読みたい
特定技能定期報告とは?出し忘れるとどうなる?ケース別の必要書類や書類作成のポイントも紹介

労働環境や教育制度に関する事項を遵守する

遵守すべき事項は分野によって個別に定められています。介護等訪問系サービス事業者が遵守すべき事項は以下のとおりです。

  • 研修の実施
  • 一定期間の同行訪問等必要なOJTの実施
  • 外国人介護人材への丁寧な説明・意向確認、キャリアアップ計画の策定
  • ハラスメント対策の実施
  • 現場で不測の事態が発生した場合等に対応するためのICTの活用を含めた環境整備
  • 外国人介護人材の実務経験等
  • 利用者・家族への説明
  • 訪問先の選定への配慮等の実施
  • 外国人介護人材の状況に応じたOJT等への配慮の実施

出典:公益社団法人国際厚生事業団「外国人介護人材の訪問系サービスへの従事について」

たとえば「研修の実施」では、訪問サービスの基本や生活支援技術、利用者・家族・近隣との適切なコミュニケーション方法、日本の生活様式などを含む研修を実施するよう求めています。

特定技能外国人だけでなく、利用者や、利用者の家族に対しても、外国人が訪問して業務を行うことを事前に説明する必要があります。

介護は他の産業分野よりも利用者やその家族と距離が近い業種です。遵守すべき事項をしっかり確認し、守りましょう。外国人材は人手不足への対応策のひとつですが、手続きの複雑さや意思疎通の難しさなど、いくつか注意すべき点もあります。

外国人雇用の注意点やメリット・デメリットは別の記事でまとめているので、あわせてご覧ください。

あわせて読みたい
外国人雇用の注意点やメリット・デメリット、手順についてわかりやすく解説

まとめ

介護分野は仕事内容や少子高齢化の影響により、人手不足や労働環境の悪化が課題とされている業界であり、そのなかでも訪問介護は人手不足が深刻化している業種です。

特定技能外国人は、人手不足解消の方法として注目されており、令和7年4月からは訪問介護でも特定技能外国人の受け入れが可能になりました。

人手不足に悩んでいるなら、特定技能在留資格を有した外国人材の受け入れも検討しましょう。

Adeccoでは特定技能を保有し、厳格な基準をクリアした意欲的な外国人材の紹介や受け入れ後のサポートを行っております。在留外国人の雇用や定着でお悩みの担当者様は、ぜひAdeccoにご相談ください。