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特定技能「自動車整備」とは?評価試験の概要や企業側の注意点を解説

2026/05/22

特定技能「自動車整備」とは?評価試験の概要や企業側の注意点を解説

特定技能には自動車整備分野があり、関連する業務に外国人材を雇用できます。人手不足に悩んでおり、即戦力を求めている場合は、ぜひ特定技能外国人材の雇用をご検討ください。

本記事では、特定技能「自動車整備」の詳細をわかりやすく紹介します。自動車整備業界の現状や、外国人材を雇用する方法や注意点も紹介するので、外国人材の雇用を考えている企業の方はぜひ参考にしてください。

特定技能「自動車整備」とは?自動車整備業界の人手不足状況

在留資格「特定技能」は2019年4月から開始された外国人材を受け入れるための制度です。2026年1月の閣議決定により、「リネンサプライ」「物流倉庫」「資源循環」の3つが追加され、特定技能の対象分野は19分野となりました。これらの追加分野のうち、一部は関係省令等の準備が整い次第、受け入れが可能となります。

特定技能「自動車整備」は、2019年4月から受け入れが行われている分野のひとつです。自動車整備業界は、近年深刻な人手不足が課題となっています。

自動車の保有台数は全国的にほぼ横ばいで推移しており、整備需要は今後も安定して続くと見込まれています。一方、自動車整備士を志す若者の減少や、高齢整備士の引退増加により人材の供給が追いついていません。

令和6年度の自動車整備分野の有効求人倍率は5.09倍と高く、令和10年度には約1万9,300人の人手不足が生じると推計されています。人手不足は、自動車保有台数の多い地域だけでなく、全国的に広がっている状況です。

自動車整備業界では人手不足対策として、作業効率向上のための設備導入やスキャンツールの導入、車検証の電子化、事業規制のアップデートなどによる生産性向上に取り組んでいます。

高校訪問や職場体験の実施、若者や女性の就業促進を図るなど、国内人材の確保にも取り組み、一定の効果を挙げていますが、なおも人材不足の解消が難しい状況です。

自動車整備分野は日本の国民生活に不可欠な分野であり、基盤を維持し、発展していくためにも、外国人材の受け入れが必要とされています。

出典:法務省「自動車整備分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」

そもそも「特定技能」とは?

「特定技能」とは、日本の深刻な人手不足に対応するために創設された在留資格であり、一定の専門性や技能を有する外国人材を即戦力として受け入れることを目的とした制度です。

人手不足が慢性化している業界にとっては、重要な人材確保の手段のひとつといえるでしょう。

「特定技能」について、以下で詳しく解説します。

特定技能の概要

日本で外国人が就労するには、就労が可能な在留資格を取得する必要があります。在留資格には複数の種類があり、特定技能はそのうちの一種です。

特定技能制度は、人材の確保が特に困難な状況にある特定産業分野で、一定の専門性・技能を有する外国人材の受け入れを促進するために国によって創設されました。受け入れ側にとっては、即戦力の人材を雇用できる点がメリットです。

特定技能人材の受け入れが可能な分野

現在、特定技能の対象分野は19分野ですが、一部分野は受け入れ開始に向けた準備段階にあります。以下では、現在主に受け入れが行われている分野を紹介します。

  • 介護
  • ビルクリーニング
  • 工業製品製造業
  • 建設
  • 造船・舶用工業
  • 自動車整備
  • 航空
  • 宿泊
  • 農業
  • 漁業
  • 飲食料品製造業
  • 外食業
  • 自動車運送業
  • 鉄道
  • 林業
  • 木材産業

上記分野のうち「自動車運送業」「鉄道」「林業」「木材産業」の4分野は2024年に追加されました。また、2026年1月23日には「リネンサプライ」「物流倉庫」「資源循環」の3分野の新たな追加が閣議決定されました。この追加により、特定技能制度の対象業種は19分野となります。これらの追加された3分野については、関係省令等の準備が整い次第、受け入れが可能となる予定です。

特定技能は制度の見直しや分野の追加がたびたび行われているため、最新情報は常にチェックしましょう。

特定技能1号と2号の違い

特定技能の在留資格は、1号と2号に分類されます。

特定技能1号は、原則として技能および日本語の検定に合格し取得できます。また、技能実習を良好に修了し取得する方法も存在しますが、技能実習を良好に修了した場合でも、特定技能へ試験免除で移行できるのは、対応する職種・作業が定められている分野に限られます。新たに追加された分野については、技能実習との対応関係が整備されていない場合があり、その場合は評価試験の合格が必要です。

特定技能1号の在留期間は通算で5年までです。配偶者や子といった家族の帯同は原則として認められていません。
また、特定技能1号の受け入れ機関は、適切な支援計画を作成し、計画に基づいたサポートを行わなければならないとされています。

一方で、特定技能2号は、1号より高い技術力が必要な検定や実務経験により取得できます。2号は在留期間の上限がなく、要件を満たせば配偶者・子の帯同が許可されます。1号と異なり、2号は受け入れ機関による支援の対象外です。

2024年に追加された自動車運送業、鉄道、林業、木材産業の4分野では、現時点では1号のみ受け入れ可能とされています。ただし、元々1号のみだった他分野で2号取得が可能になった例もあるため、制度の見直しにより、今後追加されることも予想されます。政府から発信される最新情報を確認しましょう。

なお、介護分野は移行先として「介護」の在留資格が個別に設定されています。

特定技能「自動車整備」の概要

自動車整備とは、自動車が安全かつ正常に走行できる状態を維持するために行う点検・整備・修理などの作業をさします。

具体的には、エンジンやブレーキ、タイヤ、電装装置などの各部品の点検や交換、故障箇所の修理、車検整備などが含まれます。

上記を踏まえ、特定技能「自動車整備」では、外国人材が従事できる業務や受け入れ見込み数が定められています。

  • 特定技能「自動車整備」で従事できる業務
  • 特定技能「自動車整備」での受け入れ見込み数・運用期間
  • 育成就労制度「自動車整備」の扱い

上記の3点に関して、詳しく紹介します。

特定技能「自動車整備」で従事できる業務

特定技能「自動車整備」で外国人材が従事できる業務は、日常点検整備、定期点検整備、特定整備および特定整備に付随する業務です。具体的な内容は以下のとおりです。

区分 業務内容
日常点検整備
  • ブレーキ液やエンジンオイル、冷却水の量の確認
  • タイヤの損傷状態の確認
  • エンジンの状態や異音、ブレーキの状態の確認
  • 上記の点検の結果に応じて必要な整備
定期点検整備 【以下の点検整備】
  • ステアリング装置
  • ブレーキ装置
  • 走行装置
  • 動力伝達装置
  • 電気装置
  • エンジン
  • サスペンション
  • ばい煙・悪臭のあるガス・有毒ガスなどの発散防止装置
  • 上記の点検の結果に応じて必要な整備
特定整備 原動機、動力伝達装置、走行装置、かじ取り装置、制動装置、緩衝装置、連結装置、運行補助装置、自動運行装置のいずれかを取り外して行う自動車の整備や改造
特定整備に付随する業務 電子制御装置の整備や板金塗装など

出典:国土交通省「自動車整備分野「特定技能外国人」受入れのためのガイドブック」

特定技能「自動車整備」での受け入れ見込み数・運用期間

自動車整備分野における1号特定技能外国人の受け入れ見込み数(受け入れ上限)は、5年間の運用期間において1万9,300人と設定されています。受け入れ見込み数は、人手不足が発生すると推計されていることを踏まえ、以下の対策を行ってもなお不足する人数として設定されたものです。

  • 生産性の向上:ガイドラインの策定等の取り組みにより、5年間で1万1,600人程度を補う
  • 国内人材の確保:情報発信等の追加的な取り組みにより、5年間で7,000人程度を補う

業界全体でこれら合計約1万8,600人分を確保してもなお人材不足が解消されないため、残る人手不足を特定技能外国人の受け入れによって補う計画です。

なお、運用期間や受け入れ見込み数は、その時の産業需要等をふまえて見直しが行われるため、最新情報は常にチェックしてください。

出典:法務省「自動車整備分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」

育成就労制度「自動車整備」の扱い

現行の「技能実習制度」でも、自動車整備分野が運用されています。しかし、技能実習制度は廃止が決定しており、2027年度から新たに育成就労制度が開始されるので注意しましょう。

育成就労制度は、特定技能に相当する人材を育成・確保することを目的とした制度という位置付けです。育成就労制度でも自動車整備分野があり、制度の方針や運用要領が2026年1月23日に公表されました。

自動車整備分野では、業務区分を「自動車整備業務区分」と「車体整備業務区分(仮称)」の2区分に切り分けることが検討されています。

育成就労制度での自動車整備分野の受け入れ見込み数は9,900人です。育成就労制度で外国人材の受け入れを検討している場合、制度の詳細は事前に確認しておきましょう。

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特定技能「自動車整備」の在留資格を取得する方法

特定技能「自動車整備」の在留資格を取得する方法として、以下の内容を紹介します。

  • 技能試験および日本語能力の検定に合格する
  • 技能実習2号または3号を良好に修了する
  • 特定技能を取得するために外国人本人が満たすべき要件

技能試験および日本語能力の検定に合格する

分野ごとに定められた技能検定および日本語能力検定の両方に合格すると、特定技能1号の在留資格を取得できます。

技能評価試験では、一定の基準以上の点数の獲得が必要です。日本および一部の海外で受験でき、受験できる国や試験の内容は各分野で異なります。試験内容は知識や判断力を問う学科試験のほか、実技試験が含まれる分野も存在します。

特定技能の自動車整備分野では、以下の試験に合格する必要があります。

  • 技能水準(試験区分)
    「自動車整備分野特定技能1号評価試験」または「自動車整備士技能検定試験3級」の合格
  • 日本語能力水準
    ・「国際交流基金日本語基礎テスト」または「日本語能力試験(N4以上)」の合格
    ・そのほか、「日本語教育の参照枠」のA2相当以上の水準と認められるもの

なお、特定技能2号の場合、「自動車整備分野特定技能2号評価試験」または「自動車整備士技能検定試験2級」の合格に加え、認証工場で3年以上自動車整備作業の実務経験があるなどの要件を満たす必要があります。

「日本語教育の参照枠」とは、日本語の習得段階に応じて必要な教育内容・方法・評価を示す共通の基盤として策定された枠組みのことです。日本語教育の参照枠では、日本語能力を6段階に分けて設定しています。

A2の定義は「ごく基本的な個人情報や家族情報、買い物、近所、仕事など、直接的関係がある領域に関する、よく使われる文や表現が理解できる。簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄についての情報交換に応じることができる」です。

技能実習2号または3号を良好に修了する

技能実習2号または3号を修了した外国人は、一定の要件を満たすことで、自動車整備分野の特定技能1号への移行が可能です。

技能実習2号を良好に修了した者は、対応する職種・作業に該当する場合に限り、自動車整備分野特定技能1号評価試験が免除されます。

特定技能制度と技能実習制度、今後開始が予定されている育成就労制度は関連がある制度ですが、運用の要領はそれぞれの制度で異なります。特定技能外国人材を雇用する際は、特定技能制度で定められた規則や義務を守る必要がある点に注意しましょう。

たとえば、特定技能で外国人材を雇う企業は、支援計画を作成する必要があります。また、技能実習から特定技能に移行する外国人材は、地方出入国在留管理局に対して在留資格変更許可申請を行わなければなりません。

申請の際に必要な主な添付書類は以下のとおりです。

  • 受け入れ機関の概要
  • 特定技能雇用契約書の写し
  • 1号特定技能外国人支援計画
  • 技能を証明する資料
  • 日本語能力を証明する資料等

特定技能を取得するために外国人本人が満たすべき要件

特定技能の在留資格を取得する場合、外国人本人が満たすべき基準は以下のとおりです。

  • 18歳以上である
  • 健康状態が良好である
  • 退去強制の円滑な執行に協力する国が発行した有効なパスポートを所持している
  • 保証金を徴収されていない
  • 外国の機関に費用を支払っている場合は、内容に合意している
  • 送り出し国で遵守すべき手続が定められている場合、手続を経ている
  • 食費・居住費など外国人が定期的に負担する費用の内容に合意している。また該当の費用の額が実費相当額その他の適正な額であり、明細書その他の書面が提示されている
  • 分野特有の基準に適合している(※分野所管省庁の定める告示で規定)
  • 特定技能1号の場合、特定技能1号での在留期間が通算5年に達していない

技能実習を修了済または検定に合格済の場合でも、要件を満たさない場合は特定技能の資格を取得できません。

出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受け入れる際のポイント」

特定技能「自動車整備」で外国人材を雇用するメリット

続いて、特定技能の自動車整備分野で外国人材を受け入れる場合のメリットを解説します。

一定水準以上の知識や技能を有した人材を確保できる

特定技能人材は、一定水準以上の知識やスキルを採用前に把握できる点が特徴です。日本語能力が高い外国人も多く、教育効率も高まります。
特定技能人材は、即戦力を要する事業者と相性の良い人材です。

幅広い業務への従事が可能

技能実習制度では、技能実習生の受け入れ人数に制限があり、所定の人数までしか雇用できません。また、従事できる業務の内容や就労時間も限定的です。

特定技能は分野ごとに受入れ見込み数(上限)が設定されていますが、企業ごとの人数枠は原則設けられていません。人手不足が深刻な分野では大きなメリットです。

長期の雇用が期待できる

特定技能1号の在留期間は通算5年までです。
2号は在留期間の上限がありません。人材の定着は受け入れ側にもメリットです。結果として、採用コストの削減効果も見込めます。

特定技能は、すでに日本に在留している外国人も取得できるため、取得が見込まれる人材がいれば移行を促してみるのも良いでしょう。

特定技能「自動車整備」で外国人材を受け入れる際に企業が注意すべき点

自動車整備で特定技能外国人材を受け入れる際の注意点として、以下を紹介します。

  • 特定技能受け入れ機関の基準
  • 特定技能外国人の受け入れ後に企業がやらなければならないことは?

特定技能外国人材の受け入れを検討している方は参考にしてください。

特定技能受け入れ機関の基準

特定技能人材の受け入れ機関が満たすべき基準は以下のとおりです。

  • ①外国人と締結する雇用契約が適切である(記載すべき事項が揃っており、賃金水準は日本人と同等以上)
  • ②受け入れ機関自体が適切である(法令を遵守している・欠格事由に該当しないなど)
  • ③外国人を支援する体制がある
  • ④外国人を支援する計画が適切である(受け入れ機関は、1号特定技能人材を支援する計画を作成し、計画に基づいた支援の実施が必要)

加えて、自動車整備分野特有の事業を鑑みて講じられる措置として、以下が定められています。

  • ア:国土交通省が設置する「自動車整備分野特定技能協議会」の構成員になること
  • イ:協議会に対し必要な協力を行うこと
  • ウ:国土交通省またはその委託を受けた者が行う調査または指導に対し、必要な協力を行うこと
  • エ:認証工場または指定工場であること
  • オ:特定技能所属機関は、登録支援機関に1号特定技能外国人支援計画の実施を委託する場合は、以下の全ての条件を満たす登録支援機関に委託すること
    ①上記ア、イおよびウの条件を満たすこと。
    ②自動車整備士1級もしくは2級の資格を有する者または自動車整備士の養成施設において5年以上の指導に係る実務の経験を有する者を置くこと
  • カ:特定技能外国人からの求めに応じ、実務経験を証明する書面を交付すること

なお、「認証工場」とは、一定の規模の作業場と作業機械、特定整備に従事する従業員を有する工場が申請することにより、地方運輸局長の認証を受けた工場をさします。

自動車整備分野で外国人材を雇用する前に、制度の基準に従って準備を行いましょう。

特定技能外国人の受け入れ後に企業がやらなければならないことは?

特定技能人材の受け入れ機関には一般的に以下の義務が課されます。

  • 外国人と締結した雇用契約を確実に履行する
  • 外国人への支援を適切に実施する(1号のみ)
  • 出入国在留管理庁およびハローワークへの各種届出
  • 報酬は預貯金口座への振込に限定する

上記は分野に限らず、特定技能を受け入れる機関の義務です。怠ると、外国人の雇用ができなくなるほか、行政から指導や改善命令を受ける対象になります。また、各種届出を怠ったり、虚偽の届出を行ったりすると罰則の対象になるため注意しましょう。

以下の記事では、外国人材を雇用する際のメリットやデメリット、雇用時の手続きを詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

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特定技能「自動車整備」で外国人材を雇用するなら事前の準備が大切

自動車整備業務は国民の生活に欠かせないものであるため、今後も安定的に需要がある業界です。しかし、慢性的な人手不足が深刻化している業界でもあり、特定技能で自動車整備分野が運用されています。

特定技能の自動車整備分野で外国人材を雇用する予定なら、制度の規則や定められた義務をはじめとするルールに従いましょう。制度で定められた義務や各種届出を怠ると、指導や罰則の対象となります。

はじめて外国人材を雇用するにあたって、詳しい制度の概要や雇用手順に不安をお持ちでしたら、専門的な機関に頼ることも大切です。

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