RPAの導入を成功させるには?アウトソーシングの活用方法を解説
2025/12/26

企業の生産性向上や、人手不足解消の切り札として注目を集めているRPA。しかし、「導入したものの効果が出ない」「運用の手間がかかる」といった課題に、直面している企業も少なくありません。
このページでは、RPA導入のメリットと効果を最大化するために不可欠なアウトソーシングの活用方法について解説します。また、実際の活用事例についても紹介していますので、RPAを単なるツールとしてではなく、ビジネス戦略の一環と捉え、持続的な成長を実現するためのヒントとして参考にしてください。
この記事の目次
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とは?
RPAはRobotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)の略で、主に定型的なデスクワークをソフトウェアのロボットが代行・自動化する技術を指します。
ロボットといっても、物理的な機械ではなく、PC上で動くソフトウェアであり、人間がPC上で行う作業(マウス操作、キーボード入力など)を記憶させ、自動で実行させることができるツールです。
RPAを導入することで、大量のデータ処理や繰り返し行われる事務作業から人材を解放し、より創造的で付加価値の高い業務に集中できるようになるでしょう。
RPAとAIの違い
RPAは事前に命令した作業内容を行うため、想定外のことに対しては対応できません。
一方でAIは人間のような知能や学習をするため、例外的な処理や、創意工夫が必要な業務にも生かすことができると期待されます。
業務に生かす場面では、定型業務を行えるかどうかがRPAとAIの大きな違いといえるでしょう。
RPAのクラスについて
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クラス
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主な業務範囲
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具体的な作業範囲や利用技術
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|---|---|---|
| クラス1 RPA(Robotic Process Automation) |
定型業務の自動化 | 情報取得や入力作業、検証作業などの定型的な作業 |
| クラス2 EPA(Enhanced Process Automation) |
一部非定型業務の自動化 |
RPAとAIの技術を用いることにより非定型作業の自動化 自然言語解析、画像解析、音声解析、マシーンラーニングの技術の搭載 非構造化データの読み取りや、知識ベースの活用も可能 |
| クラス3 CA(Cognitive Automation) |
高度な自動化 |
プロセスの分析や改善、意思決定までを自ら自動化 ディープラーニングや自然言語処理 |
RPAには3段階の自動化レベルがあるといわれており、AIと連携することで、RPAが苦手とする非定型業務にも対応することが期待されています。
総務省「情報通信統計データベース|RPA(働き方改革:業務自動化による生産性向上)」では以下のように紹介されています。
RPAには三段階の自動化レベルがあるとされています。現在のRPAの多くは「クラス1」というレベルで定型業務に対応しています。次期レベルの「クラス2」は、AIと連携して非定型業務でも一部は自動化されます。「クラス3」は、より高度なAIと連携することで、業務プロセスの分析や改善だけでなく意思決定までを自動化できます。
RPAを導入するメリット
RPAを適切に導入・運用することで、企業は多岐にわたるメリットを享受できます。主なメリットは、下記のとおりです。
<RPAを導入するメリット>
生産性の向上
RPAは、設定したとおりに24時間365日、休むことなく稼働し続けることが可能です。これにより、深夜や早朝のバッチ処理など、人間が行うには負担が大きい作業を自動化でき、労働生産性の飛躍的な向上が期待できます。
また、従業員が単純作業から解放され、より創造的なコア業務に集中できることも大きなメリットです。
品質の安定
人間が行うデータ入力や転記作業には、どうしてもヒューマンエラーが発生するリスクが伴います。RPAは、一度正しく設定されれば、設定ミスがない限り、安定した品質で業務を遂行可能です。
これにより、手戻り作業の削減や顧客満足度の向上につながるでしょう。
コスト削減
RPAを導入することで、これまで人が行っていた業務の工数を、大幅に削減できます。長期的な視点で見ると、人件費や残業代の抑制につながるでしょう。
ただし、導入初期にはライセンス費用や開発費用が発生するため、コスト削減効果を出すには、費用対効果の高い業務を慎重に選定することが重要です。
アウトソーシングサービスと組み合わせることで最大限のパフォーマンスが期待できる
RPAとアウトソーシングサービスを有効活用することで最大限の効率化を実現が期待できます。
例えばAdeccoの「アウトソーシング+RPA」では、アウトソーシングノウハウでの業務プロセスの見直しを行い、切り出し可能な定型業務をRPAに置換することで、リソースの適正化を行います。
詳しくは下記のページをご覧ください。
RPAのデメリット
<RPAを導入するデメリット>
システム障害の際のカバーが難しい
自動化していた作業もシステム障害が起きると、人が対応することになります。しかし、常にシステムに任せているため、社員はその作業に不慣れなはずです。結果的に対応しきれなかったり、トラブルが発生したりする可能性があります。
情報セキュリティが問題になることがある
RPAを活用することで社内のあらゆるツールを連携することができて便利です。しかし一方で、一部のIDやパスワードが外部に漏れただけで甚大な損害・損失に発展する可能性を秘めています。
連携ツールをつたって、内部のあらゆる情報やデータの入手・操作が可能となってしまうのです。RPAを導入する際には、強固なセキュリティ体制を整備する必要があります。
RPAが得意とする業務はどんなもの?
RPAが最も得意とするのは、あらかじめ定められたルールに従って繰り返し行うことができる定型業務です。具体的には、下記のような業務の自動化が実現します。
■RPAが得意とする業務の例
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業務領域
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概要
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|---|---|
| 経理業務 | 会計システムで処理する売上伝票・領収書・請求書などのデータ入力作業 など |
| データ入力 | アンケートの回答入力/分析結果をもとに受発注の適正化/集計作業 など |
| 人事業務 | 従業員の勤怠管理/長時間残業に対するアラート/給与計算/福利厚生管理 など |
| カスタマーサポート業務 | 顧客からの問い合わせで得た情報の管理やバックアップ など |
| 営業活動支援業務 | 名刺の管理/SFAなど営業支援ツールへの登録作業/ライバル製品サイトを巡回する自動情報収集/見込み客の抽出と送信メッセージの自動作成 など |
RPAに向いていない業務
RPAが実現できることは数多くありますが、万能ではありません。自動化の範囲や効果を正しく見極めるために、RPAが苦手とする、あるいは代替できない業務についても知っておきましょう。
<RPAが不得意とする業務の例>
創造的・非定型な思考や判断が必要な業務
RPAは「Aが起きたらBをする」という、明確なルールの指示がないと動作できません。
そのため、顧客との複雑な交渉、市場の動向を読み解く戦略立案、トラブル発生時の柔軟な判断など、人間特有の創造性や非定型の思考・判断が求められる業務については、自動化が難しいといえます。
ルールが頻繁に変更される業務
RPAは、業務フローが変更されるたびに、シナリオ(ロボットの動作手順)の再作成や修正が必要です。
ルールや手順が頻繁に、かつ大幅に変更される業務では、シナリオのメンテナンスコストがRPAの導入効果を上回ってしまう可能性があります。
PC上で完結しない物理的な業務
RPAはPC上のソフトウェアであるため、紙の書類をスキャンする、FAXの受信内容を確認するといった、PCの外部で発生する物理的な作業を行うことはできません。
物理的な作業が伴う場合は、データ化(OCRなど)するプロセスを別途構築する必要があります。
RPA導入に失敗しないための5つのステップ
RPA導入を成功させるには、ツール選定やシナリオ作成の技術的な側面に加え、導入効果を持続させるための運用体制の構築が重要です。ここでは、RPA導入に失敗しないために重要な、5つのステップをご紹介します。
<RPAを導入するステップ>
1.現状の業務プロセスを見直す
社内にあるすべての業務を洗い出し、それぞれの業務プロセスを見直します。その中から改善が必要なもの、RPAを導入できそうなものを選定します。導入によりどれほどの費用対効果が見込めるかを見積もっておきましょう。
例えば業務の洗い出しでは、下記の項目をチェックするといいでしょう。
<RPAに適した業務選定のポイント>
- 定型性:手順が明確で繰り返し発生しているか?
- 頻度、量:処理回数が多く、工数削減効果が見込めるか?
- 複雑性:例外処理が少なく、シンプルなフローであるか?
2. RPA選定とトライアル導入
選定した業務に適していそうなRPAツールを探し、試験的に導入します。期待する効率性や費用対効果が得られるものなのかを見極めることが重要です。問題や不具合があれば、細かに記録しておくようにしましょう。
3. トライアル実行から課題を抽出
一定期間の現場でのトライアル実行をした後に、結果や効果を検証し問題点や改善すべき点を把握します。検証後、そのRPAを採用していくのか、あるいは他のRPAに切り替えて試すのかを決定することになります。
4.本格導入する業務を決定する
RPAのトライアル実行の一連の結果を見ながら、最終的にRPAに切り変える業務を決定します。その業務の担当者には、RPAの操作方法の教育が必要です。
また、セキュリティ対策として、アクセス権限や運用ルール、フローを明確にします。
5.本格導入
トライアル実行を経ているため、RPAの本格導入の段階では、すでにその効果が出た状態となります。導入後は、運用とともに作業の改善に向けた評価や分析の継続が不可欠です。
RPA+アウトソーシングサービスの活用事例
アデコでは、RPAの技術とアウトソーシングを組み合わせ、単なる自動化にとどまらない業務の変革を支援しています。ここでは、アデコが提供している「RPA+アウトソーシング」の導入事例をご紹介します。
ユーザーへのメール配信作業を自動化し、生産性の向上を実現
ある大手電力会社の担当者は、他業務と兼務でユーザーへのメール配信作業を行っていたため、業務量によっては時間外勤務が発生していました。RPAを活用して作業工程を見直したところ、配信作業のすべてを自動化させることができ、生産性の向上につながりました。
- <課題>
担当社員はコア業務に集中したい - <効果>
50時間の工数削減
誤送信率0%
委託運営費210万円を削減
アウトソーシング+RPAの導入により、付加価値の高いコア業務にシフト
現状の業務を分析し、無駄がないかを確認。さらに業務の圧縮を図りつつ、プロセスとフローを整理して改善策の提案を行いました。ここでカギになったのがRPA導入です。自動化できる販売管理、購買管理の業務の一部は、次々にRPAに移行することでコスト削減と品質向上、納期短縮が実現できました。
- <課題>
業務内容が多岐にわたり、業務のパフォーマンス向上に苦戦していた - <効果>
処理スピードの向上
ヒューマンエラーの減少
コア業務に充てる時間が増えたことによるモチベーションアップ
RPAの効果を持続させるため、運用体制と改善サイクルを整備しよう
RPAは、企業の競争力を高める強力な武器となりますが、導入するだけで自動的に成功が約束されるわけではありません。効果を最大限に生かすには、運用体制と改善サイクルを整備することが重要です。
まずは、現状の業務における無駄と、人間にしかできないコア業務を徹底的に洗い出すことから始めてみてはいかがでしょうか。アデコでは、RPA導入の検討段階から業務分析、最適なアウトソーシングの設計・運用まで、一貫したサポートを提供しております。お気軽にご相談ください。


