労働法制

派遣契約における抵触日の通知と待遇に関する情報の提供とは?

2025/02/14

派遣契約(※)の締結には、契約内容などさまざまな確認が必要となります。今回は、派遣契約締結時に必要な2つの書類(抵触日の通知・待遇情報の通知)についてご説明します。

これらの書類は、新規締結・既存契約の更新に関わらず、以下の要件を満たす必要があります。

  • 対象の派遣契約を特定し
  • 派遣契約締結前に
  • 派遣先から派遣元に通知する

ご契約にあたって、派遣先企業様のご協力が必要となりますので、事前にご準備をお願いします。

※本記事で記載している「派遣契約」とは、派遣先⇔派遣元間の企業間で最初の取引開始時に締結することが多い、いわゆる労働者派遣基本契約書などとは異なり、労働者派遣法により締結の義務がある個別の派遣契約をさします。

2つの書類の共通点

抵触日の通知は期間制限の管理に関するもので、待遇情報の提供は同一労働同一賃金に関するものです。この2つの書類は全く異なる主旨で必要とされている書類ですが、共通点もあります。

ここがポイント
  1. 派遣先に作成・通知の義務がある法定帳票である。
  2. 派遣契約締結の都度(契約更新時も必要)通知の義務がある。

それぞれの書面について個別に解説いたします。

2つの書類の共通点

無料ダウンロード通知書面の雛形および記入見本

派遣先企業様に作成いただく各通知書面の雛形および記入見本を用意しました。ダウンロードしてご活用ください。

抵触日の通知とは

派遣契約は原則、派遣できる期間に制限があります。なお、「派遣先事業所単位」「派遣労働者個人単位」の2種類の期間制限が適用されます。

抵触日通知とは、この「派遣先事業所単位」の期間制限抵触日がいつであるのかを、派遣元に示すための書類です。派遣契約締結(契約開始/契約更新時)の都度、派遣先から派遣元に対して、抵触日の通知を行う必要があります。また、派遣元はこの事業所抵触日の通知を受領していない場合、派遣契約を締結することができません。

なお、抵触日通知で通知頂く必要がある項目は以下の通りです。

  1. 受入事業所の名称・所在地
  2. 上記事業所の抵触日
    (派遣法第26条第4項、派遣則第24条の2)
抵触日の通知とは

派遣先事業所で初めて派遣労働者を受入れた日を起算として、3年経過後の日付が期間制限抵触日。
具体的な事例
起算日:2024年9月1日 だった場合
抵触日:2027年9月1日

ここがポイント
  • 派遣先の義務規定として派遣契約締結(契約開始/契約更新時)ごとに通知が必要です。
  • 3年を超えて派遣労働者の受け入れを希望する場合は、派遣先の過半数労働組合等からの意見を聴取する必要があります。
  • 無期雇用や60歳以上の派遣労働者の受け入れの場合でも、労働者派遣契約書上で無期雇用/60歳以上に限定を行わない場合は、抵触日を通知する必要があります。

待遇情報の提供とは

同一労働同一賃金の実現を目的に労働者派遣法が改正され、2020年4月1日以降、派遣先は派遣元に対して、派遣契約を締結する前に、受け入れる派遣労働者の待遇に最も近い労働者の待遇等に関する情報を、書面等により提供しなければならなくなりました。

なお、当社は労使協定方式のため、通知いただく必要がある項目は以下の通りです。

  1. 業務に必要な能力を付与するための教育訓練の内容(ない場合には、その旨)
  2. 福利厚生施設(給食施設(食堂等)、休憩室、更衣室)の内容(ない場合には、その旨。また、各施設の利用時間に制限がある場合は、利用時間も記載)
    (派遣法第26条第7項、第10項、派遣則第24条の6第1項)
提供が必要な情報
ここがポイント
  • 派遣先の義務規定として派遣契約締結(契約開始/契約更新時)ごとに通知が必要です。
  • 「有無」を記載しなくてはならず、「無」の場合でもその旨、情報提供の義務がある書類です。
  • 就業場所ごとに確認をして情報提供を行う必要があります。

【セルフチェックリスト】

派遣労働者を受け入れる場合、派遣元(派遣会社)だけでなく、派遣先企業様においても、労働者派遣法に定められた措置を講じる責務が生じます。以下のセルフチェックリストもご活用ください。

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