特定技能

漁業分野の特定技能在留資格とは?外国人材を受け入れる流れや注意点を解説

18th of September, 2025

漁業分野の特定技能在留資格とは?外国人材を受け入れる流れや注意点を解説

特定技能外国人の受け入れはさまざまな業種で進んでおり、漁業分野も例外ではありません。

本記事では、漁業分野で特定技能在留資格を有する外国人材を受け入れる流れを紹介します。漁業分野での特定技能外国人の受け入れ状況や、受け入れるメリット・注意点も紹介するので、人手不足に悩んでいる漁業関係者は参考にしてください。

漁業分野で特定技能の外国人材が求められている背景

日本の漁業分野で特定技能による外国人材の受け入れが進んでいる背景には、深刻な人手不足と高齢化があります。

昭和63年(1988年)には39.2万人いた漁業従事者は、平成30年(2018年)までの30年間で61%減の15.2万人まで減少していることもわかっています※1 。また、平成30年時点で、漁業就業者全体に占める65歳以上の従事者の割合は約3.8割(約5.8万人)です。

漁業分野では、生産性向上や国内人材確保のため、ICT等を活用した効率化や新規就業者の確保・育成に向けた取組も行われています。しかし、新規漁業就業者数は2,000人程度で推移しており、依然として人材の確保は困難な状況です。

令和10年度の漁業生産目標達成には約17万人の就業者が必要とされていますが、現状(令和4年度)の就業者は12万6,000人です※2

今後、高齢化や離職により就業者は約10万9,000人まで減少するとされており、結果的に約6万1,000人の人手不足が発生する見込みです。

漁船員の有効求人倍率は5.55倍、水産養殖作業員は2.40倍と極めて高い状況です。国内での人材確保策を進めても不足は解消できないため、漁業をはじめとする産業を存続・発展するためには特定技能をはじめとする外国人材の受け入れが必要不可欠とされています。

深刻化する人手不足に対応するため、即戦力として従事できる外国人材の受け入れが進められています。

※1 水産庁「(3)漁業就業構造等の変化:水産庁」
※2 水産庁「漁業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」

漁業分野での特定技能外国人の受け入れ状況

特定技能の外国人材受け入れ状況は業種によって異なります。令和6年12月末時点の累計と、漁業分野の人数に絞って紹介すると以下のとおりです。

特定技能の種類 累計 漁業分野
特定技能1号 28万3,634人 3,488人
特定技能2号 832人 2人

出典:法務省「特定技能在留外国人数の公表等」

上記のとおり、1号は3,488人で、より高い専門性や技術が求められる2号は2名です。1号と2号の詳しい違いは後述しています。漁業分野の特定技能1号は、令和5年6月末時点で2,148人でした。1年間で1,000人以上増加しています。

なお、令和6年10月末時点の在留資格を持つ外国人の累計と、そのうち特定技能の人数を、令和5年10月末時点と比較すると以下のとおりです。

在留資格者累計 特定技能
令和6年10月末時点 230万2,587人 20万6,995人
令和5年10月末時点 204万8,675人 13万8,518人

出典:厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況表一覧(令和6年10月末時点)」
出典:厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況表一覧(令和5年10月末時点)」

上記のとおり、在留資格者累計は1年間で約25万人増加しています。そのうち、特定技能だけで約7万人も増加していることがわかります。特定技能分野の追加や、受け入れ見込み数の増加に伴い、今後も増える見込みです。

特定技能とは?

特定技能制度を、改めて以下で詳しく解説します。

  • 特定技能制度の概要
  • 特定技能人材の受け入れが可能な分野
  • 特定技能1号と2号の違い

特定技能制度の概要

日本で就労するには、就労が可能な在留資格が必要です。在留資格は複数の種類があり、特定技能はそのうちの一種です。

特定技能制度は、人材の確保が特に困難な状況にある特定産業分野で、高度な知識やスキルをもつ外国人材の受け入れを促進するために国によって創設されました。受け入れ側にとっては、即戦力の人材を雇用できる点がメリットです。

特定技能人材の受け入れが可能な分野

特定技能制度で受け入れられる分野は以下のとおりです。

  • 介護
  • ビルクリーニング
  • 素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業
  • 建設
  • 造船・舶用工業
  • 自動車整備
  • 航空
  • 宿泊
  • 農業
  • 漁業
  • 飲食料品製造業
  • 外食業
  • 自動車運送業
  • 鉄道
  • 林業
  • 木材産業

上記分野のうち、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業の4分野は、2024年に新しく追加されました。

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特定技能は在留資格の一種です。これまでで12分野14業種のみが対象でしたが、16分野での受け入れが可能になることが発表されました。特定技能の在留資格は技能実習を良好に修了するか所定の検定で基準以上の成績を収めれば取得できます。特定技能は1号と2号の分類があり在留期間や受け入れ分野が異なります。

特定技能1号と2号の違い

特定技能の在留資格は、1号と2号に分類されます。

特定技能1号は、技能および日本語の検定に合格すると取得できます。定められた修了期間などの条件を満たし、技能実習を良好で修了し取得する方法もありますが、特定技能に新たに追加された4分野は含まれません。

なお、1号の在留期間は通算で5年までで、家族の帯同は許可されていません。

また、特定技能1号の受け入れ機関は、適切な支援計画を作成したうえで、計画に基づいたサポートをする必要があります。

特定技能2号は、1号より高い技術力が必要な検定や実務経験により取得できます。

2号は在留期間が無期限となり、要件を満たせば配偶者・子の帯同が許可されます。また、1号とは異なり、2号は受け入れ機関による支援の対象外です。

漁業分野の特定技能1号と2号の違いの詳細は後述しています。

新しく追加された4分野では、1号のみ受け入れ可能とされています。ただし、元々1号のみだった他分野で2号取得が可能になった例もあるため、政府から発信される最新の情報に注意しておきましょう。

なお、介護分野は移行先として「介護」の在留資格が個別に設定されています。

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特定技能・漁業分野の概要を解説

漁業分野も深刻な人手不足に対応するため、特定技能外国人の受け入れ分野に指定されています。概要を以下に分け、より詳しく紹介します。

  • 特定技能の在留資格を有する外国人材が漁業分野で従事できる業務
  • 漁業分野で特定技能の外国人材を雇用できる期間

漁業分野で外国人材の受け入れを検討している方は参考にしてください。

特定技能の在留資格を有する外国人材が漁業分野で従事できる業務

特定技能外国人が従事できる漁業分野の業務は、大きく分けて「漁業」と「養殖業」に区分されています。区分ごとの業務の具体例は以下のとおりです。

区分 業務の具体例
漁業
  • 漁具の製作・補修
  • 水産動植物の探索
  • 漁具・漁労機械の操作
  • 水産動植物の採捕
  • 漁獲物の処理・保蔵
  • 安全衛生の確保
など
養殖業
  • 養殖資材の製作・補修・管理
  • 養殖水産動植物の育成管理
  • 養殖水産動植物の収獲(穫)・処理
  • 安全衛生の確保
など

出典:水産庁「特定技能外国人の受入れ制度について(漁業分野)」

なお、漁業または養殖業以外の業務に従事させることはできません。ただし、日本人が通常従事する関連業務には、付随的に従事できます。関連業務の具体例は以下のとおりです。

区分 関連業務の具体例
漁業
  • 漁具・漁労機械の点検
  • 換装
  • 船体の補修・清掃
  • ⿂倉、漁具保管庫、番屋の清掃
  • 漁船への餌、氷、燃油、⾷材、⽇⽤品その他の操業・⽣活資材の仕込・積込
  • 出漁に係る炊事・賄い
  • 採捕した⽔産動植物の⽣簀における蓄養その他付随的な養殖
  • ⾃家⽣産物の運搬・陳列・販売
  • ⾃家⽣産物⼜は当該⽣産に伴う副産物を原料⼜は材料の⼀部として使⽤する製造・加⼯及び当該製造物・加⼯物の運搬・陳列・販売・⿂市場・陸揚港での漁獲物の選別・仕分け
  • 体験型漁業の際に乗客が⾏う⽔産動植物の採捕の補助
  • 社内外における研修
など
養殖業
  • 漁具・漁労機械の点検・換装
  • 船体の補修・清掃
  • ⿂倉、漁具保管庫・番屋の清掃
  • 漁船への餌、氷、燃油、⾷材、⽇⽤品その他の操業・⽣活資材の仕込・積込
  • 養殖⽤の機械・設備・器⼯具等の清掃・消毒・管理・保守
  • ⿃獣に対する駆除、追払、防護ネット・テグス張り等の養殖場における⾷害防⽌
  • 養殖⽔産動植物の餌となる⽔産動植物や養殖⽤稚⿂の採捕、その他付随的な漁業
  • ⾃家⽣産物の運搬・陳列・販売
  • ⾃家⽣産物⼜は当該⽣産に伴う副産物を原料⼜は材料の⼀部として使⽤する製造・加⼯及び当該製造物・加⼯物の運搬・陳列・販売
  • ⿂市場・陸揚港での漁獲物の選別・仕分け
  • 体験型漁業の際に乗客が⾏う⽔産動植物の採捕の補助
  • 社内外における研修
など

出典:水産庁「特定技能外国人の受入れ制度について(漁業分野)」

漁業分野で特定技能の外国人材を雇用できる期間

漁業分野で特定技能の外国人材を雇用できる期間は、通算で5年までと定められています。一方、特定技能2号には就業期間の上限はありません。

「通算」とは、同じ特定技能1号の在留資格で日本国内の異なる企業や地域に移って働いた場合でも、その就業期間を合計することを指します。

たとえば、企業Aで3年間働いた後に別の企業Bへ転職し、2年間働いた場合も、通算で5年の上限に達します。雇用通算期間には、みなし再入国による出国期間も含まれます。

なお、特定技能1号では1年、6ヶ月または4ヶ月のいずれかの在留期間が付与され、続けて滞在する場合は更新手続きが必要です。就業期間のカウントは一度帰国し、再来日した場合でも引き継がれるため、リセットはされません。

また、特定技能1号では在留中に同じ分野での転職が可能です。新たに在留資格変更許可を受ける必要があるほか、特定技能の受け入れ資格を持つ企業であることが前提です。

漁業分野の特定技能1号・特定技能2号の違い

特定技能には1号と2号があることは紹介したとおりです。漁業分野でも、特定技能1号と2号があり、以下の違いがあります。

項目 特定技能1号 特定技能2号
従事できる作業の種類 特定技能1号で従事可能な職種 特定技能1号で従事可能な職種に加え、「操業・養殖を指揮する者の補佐、作業員の指導及び作業工程の管理」が追加
受け入れる外国人材の条件 技能水準 1号漁業技能測定試験(漁業または養殖業)の合格 2号漁業技能測定試験(漁業または養殖業)の合格
日本語能力 日本語能力試験(JLPT)N4以上の合格 日本語能力試験(JLPT)N3以上の合格
実務経験 - 日本漁船または日本国内の養殖業の現場で、管理者等の実務経験を2年以上
雇用期間 通算5年(1年、6ヶ月または4ヶ月の在留期間が付与され、更新が必要) 制限なし(3年、1年または6ヶ月の在留期間が付与され、更新が必要)
家族の帯同 基本的に認めない 在留資格の要件を満たせば配偶者および子の帯同が可能
支援の有無 登録支援機関の支援や支援計画、支援委託契約書の作成などが必要 不要

出典:水産庁「特定技能外国人の受入れ制度について(漁業分野)」

特定技能1号は魚介類の採捕や養殖などの現場作業を行う資格で、先述のとおり在留期間は通算5年が上限です。

一方、特定技能2号はより高度な技能を有する人材が対象で、在留期間の更新制限がなく、家族帯同も認められます。そのため、経験や技能評価試験の合格により2号へ移行できれば、長期的な就労や定住も視野に入るでしょう。

なお、令和6年12月末時点で漁業分野の特定技能2号を取得している外国人は2人です。

漁業技能測定試験(漁業・養殖業)

特定技能1号、2号の資格を取得するためには、それぞれの漁業技能測定試験に合格する必要があります。1号・2号漁業技能測定試験(漁業・養殖業)それぞれの概要は以下のとおりです。

項目 特定技能1号 特定技能2号
区分 1号漁業技能測定試験(漁業・養殖業) 2号漁業技能測定試験(漁業・養殖業)
試験言語 日本語(ひらがな、カタカナまたはふりがなを付した漢字)
実施主体 農林水産省が実施する公募により選定した民間事業者
実施方法
  • 筆記試験および実技試験
  • CBT方式(コンピューターを使用した出題・解答)またはペーパーテスト方式
実施回数、実施時期および実施場所 水産庁と技能試験実施機関が協議の上決定
受験資格者
  • 試験日に満17歳以上である者
  • 国内受験者は在留資格を有する者(旅券を所持していない者を除く)
1号の条件に加え、実務経験2年以上を有するもの

特定技能1号では、監督者の指示を理解して的確に作業できるか、自ら判断して遂行できるかなどの能力が、筆記試験と実技試験で確認されます。一方、特定技能2号では、上級技能労働者として通常有する技能を持つかの確認が行われます。

日本語能力試験

日本語能力試験(JLPT:Japanese-Language Proficiency Test)は、日本語を母語としない人を対象にした、言語能力を測定・認定する国際的な試験です。特定技能だけでなく、在留資格や進学・就職などで幅広く活用されています。

試験のレベルはN1からN5までの5段階に分けられており、以下の違いがあります。

レベル 概要
N1 幅広い場面で使われる日本語を理解できる
N2 日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解できる
N3 日常的な場面で使われる日本語をある程度理解できる
N4 基本的な日本語を理解できる
N5 基本的な日本語をある程度理解できる

特定技能1号ではN4以上、特定技能2号ではN3以上の合格が求められます。日本語能力試験に関しては以下の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

あわせて読みたい
【解説】日本語能力試験のレベルとは?外国人採用の基準にするメリット

漁業分野で特定技能の外国人材を受け入れるための条件

特定技能外国人を受け入れることができる条件は、以下のように定められています。

①労働、社会保険及び租税に関する法令を遵守していること
②1年以内に特定技能外国人と同種の業務に従事する労働者を非自発的に離職させていないこと
③1年以内に受け入れ機関の責めに帰すべき事由により、外国人の行方不明者を発生させていないこと
④欠格事由(5年以内に出入国・労働関係法令違反がないこと等)に該当しないこと
⑤特定技能外国人の活動内容に係る文書を作成し、雇用契約終了日から1年以上備えて置くこと
⑥特定技能外国人等が保証金の徴収等をされていることを受け入れ機関が認識して雇用契約を締結していないこと
⑦受け入れ機関が違約金を定める契約等を締結していないこと
⑧支援に要する費用を直接または間接に特定技能外国人に負担させないこと
⑨労働者派遣の場合は、派遣先が①~④の基準に適合すること
⑩労災保険関係の成立の届出等の措置を講じていること
⑪雇用契約を継続して履行する体制が適切に整備されていること
⑫報酬を預貯金口座へ振込等により支払うこと

出典:水産庁「特定技能外国人の受入れ制度について(漁業分野)」

上記の条件を満たせば、過去に技能実習生等の外国人材を受け入れたことがない場合でも、特定技能外国人の受け入れが可能です。

ただし、前提として、漁業分野で特定技能の外国人材を受け入れるためには、漁業特定技能協議会へ1号構成員として加入している必要がある点に注意しましょう。詳しくは後述しています。

漁業特定技能協議会1号構成員になるための手続きや資格要件

漁業特定技能協議会とは、特定技能の適切な運用を図るため、水産庁が設けた協議会です。受け入れ機関と業界団体、制度所管省庁等から構成されています。

漁業特定技能協議会は1号〜5号の構成員で組織されています。1号は特定技能外国人を雇用する受け入れ機関、2号は登録支援機関、3号は業界団体や組合などの関連機関、4号は地方公共団体、5号は国の関係行政機関です。

漁業分野で特定技能を受け入れたい場合、漁業特定技能協議会の1号構成員にならなければなりません。1号構成員になるための手続きの流れや、1号構成員が満たすべき主な要件は以下のとおりです。

項目 概要
手続きの流れ
  1. 協議会加入申請書類の作成および所属する2号構成員への申請
  2. 2号構成員にて申請書類の確認
  3. 漁業特定技能協議会事務局で書類の確認・審査
  4. 1号構成員資格証明書の発行・承認
満たすべき要件
  • 特定技能雇用契約を結んでおり、2号構成員に所属するか、指導助言を受けることとしていること
  • 特定技能の在留資格に係る制度その他外国人の受け入れを正しく理解している
  • 協議会において協議が整った事項(協議会決定事項、分科会決定事項、各種申し合わせ)に関する措置を講じている
  • 協議会およびその構成員が行う報告の徴収、資料の要求、調査その他指導に対し必要な協力を行うこと
  • 国内人材の確保に資する取組を行っている
  • 生産性の向上に資する取組に努めている
  • 協議会及び2号構成員が連絡を取れる

出典:水産庁「特定技能外国人の受入れ制度について(漁業分野)」

資格取得後でも、要件を満たしていないと判断された場合、構成員資格が取り消される場合があるので注意しましょう。

漁業分野で特定技能の外国人材を受け入れるまでの流れ

漁業分野で特定技能の外国人材を受け入れるまでのプロセスを紹介します。外国から来日する外国人材と日本国内に在留中の外国人材に分けて紹介すると以下のとおりです。

【海外から来日する外国人材の場合】

  1. 試験受験・合格
  2. 受け入れ機関との雇用契約(特定技能雇用契約)の締結
  3. 事前ガイダンスの実施、健康診断の受診など
  4. 支援計画の作成
  5. 漁業特定技能協議会への申請(協議会1号構成員加入申請)
  6. 地方出入国在留管理局に在留資格認定証明書の交付申請
  7. 在留資格認定証明書の交付
  8. 在外公館に査証(ビザ)申請
  9. 査証(ビザ)発給、入国
  10. 各種支援の実施(日本語学習機会の提供やオリエンテーションなど)
  11. 就労開始

【日本国内に在留中の外国人材の場合】

  1. 試験受験・合格
  2. 受け入れ機関との雇用契約(特定技能雇用契約)の締結
  3. 事前ガイダンスの実施、健康診断の受診など
  4. 支援計画の作成
  5. 漁業特定技能協議会への申請(協議会1号構成員加入申請)
  6. 地方出入国在留管理局に在留資格変更の許可申請
  7. 在留資格変更許可
  8. 各種支援の実施(日本語学習機会の提供やオリエンテーションなど)
  9. 就労開始

なお、紹介したとおり、2号特定技能になるためには日本国内での実務経験が求められます。1号特定技能の条件を満たしていることが前提のため、事前ガイダンスの実施や支援計画・支援委託契約書の作成など、一部の手続きは不要です。

特定技能外国人との雇用契約で満たすべき基準

特定技能外国人との雇用契約では、以下の基準を満たす必要があります。

①特定技能外国人を技能を要する作業(11ページ参照)に従事させるものであること
②所定労働時間が、同じ受け入れ機関に雇用される通常の労働者の所定労働時間と同等であること
③報酬額が日本人が従事する場合の額と同等以上であること
④外国人であることを理由として報酬の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇について、差別的な取扱をしていないこと
⑤一時帰国を希望した場合、休暇を取得させるものとしていること
⑥労働者派遣の対象とする場合、派遣先や派遣期間が定められていること
⑦特定技能外国人が帰国旅費を負担できない時は、受け入れ機関が負担するとともに契約終了後の出国が円滑にされるよう必要な措置を講ずることとしていること
⑧受け入れ機関が特定技能外国人の健康の状況その他の生活の状況を把握するために必要な措置を講ずることとしていること

出典:水産庁「特定技能外国人の受入れ制度について(漁業分野)」

報酬は受け入れ機関の賃金規定に基づいて設定します。規定がない場合、日本人労働者の報酬や責任の程度、年齢、経験年数などを踏まえ、妥当かどうかを検討して設定する必要があります。

なお、フルタイムで業務に従事することが求められるため、複数の企業が同じ特定技能外国人を雇うことはできません。

漁業分野で特定技能の外国人材を受け入れるメリット

漁業分野で特定技能人材を受け入れる場合のメリットを解説します。

  • 一定水準以上の技能が証明されている
  • 事業所ごとの受け入れ上限設定がなく、幅広い業務に従事できる
  • 長期にわたる就労が見込める

一定水準以上の技能が証明されている

特定技能人材は、一定水準以上の知識やスキルを採用前に把握できる点が特徴です。日本語能力が高い外国人も多く、教育効率も高まります。特定技能人材は、即戦力を要する事業者と相性の良い人材です。

事業所ごとの受け入れ上限設定がなく、幅広い業務に従事できる

技能実習制度では、技能実習生の受け入れ人数に制限があり、所定の人数までしか雇用できません。また、従事できる業務の内容や就労時間も限定的です。

介護・建設分野を除く特定技能人材の場合、受け入れ制限はないため、必要なだけ人材を効率よく確保でき、技能実習と比較して幅広い業務に従事させられます。人手不足が深刻な分野では大きなメリットです。

漁業分野では、令和6年度から10年度までの受け入れ上限は1万7,000人と設定されています。向こう5年間の受け入れ上限は定められていますが、事業所ごとの受け入れ上限は設定されていません。

長期にわたる就労が見込める

特定技能1号の在留期間は通算5年までですが、継続した5年間でなくても良いとされています。繁忙期のみ雇用して帰国するサイクルを通算5年に達するまで繰り返す形態も可能です。

また、2号は在留期間が無期限化します。人材の定着は受け入れ側にもメリットです。結果として、採用コストの削減効果も見込めます。

特定技能は、すでに日本に在留している外国人も取得できるため、取得が見込まれる人材がいれば移行を促してみるのも良いでしょう。

漁業分野で特定技能の外国人材を受け入れる際の注意点

漁業分野で特定技能の外国人材を受け入れる際の注意点は以下のとおりです。

  • 漁業特定技能協議会1号構成員資格証明書を取得しておく
  • 雇用契約の基準や業務区分ごとに定められた事項を遵守する
  • 受け入れ後に必要な報告や届出を怠らない

それぞれ詳しく紹介します。

漁業特定技能協議会1号構成員資格証明書を取得しておく

紹介したとおり、漁業分野で特定技能外国人を受け入れる際には、漁業特定技能協議会に1号構成員として加入している必要があります。

漁業特定技能協議会は、特定技能の適切な運用を図るために設けられており、加入の際には申請や審査を受ける必要があります。

協議会に非協力的であったり、定められた事項を遵守しなかったりなど、1号構成員になるための資格要件から外れると、資格の取り消される場合があるため注意しましょう。要件は事前に確認し、加入後も守ることが大切です。

雇用契約の基準や業務区分ごとに定められた事項を遵守する

特定技能外国人の受け入れに関して、雇用契約や遵守しなければならない事項が定められています。内容は業種や分野によって異なります。漁業分野で定められている事項は以下のとおりです。

区分 遵守しなければならない事項
漁業 特定技能外国人材の安全性の確保
特定技能所属機関による外国人材の配乗人数
特定技能外国人材等の配乗人数の報告
特定技能所属機関による外国人材の引き抜き防止
養殖業 就業規則の整備の促進
特定技能外国人の受け入れに係る人権上の問題およびその他の不正行為に対する横断的な予防措置
特定技能所属機関による外国人材の引き抜き防止

出典:水産庁「特定技能外国人の受入れ制度について(漁業分野)」

たとえば、漁業分野の「特定技能所属機関による外国人材の配乗人数」では、「漁船一隻あたり、技能実習生と1号特定技能外国人の合計人数が、それ以外の乗組員の人数の範囲内を目安とすること」と詳細に定められています。

定められた事項に加え、関連法令の遵守も大切です。不当な契約・雇用は罰則(改善命令や罰金、懲役、登録の取り消しなど)の対象になるため注意しましょう。

受け入れ後に必要な報告や届出を怠らない

特定技能外国人の受け入れ後にも、定期的に報告や届出が必要です。たとえば、特定技能を受け入れた漁業分野の事業者は、地方出入国在留管理局へ、以下の届出を行う必要があります。

届出のタイミング 内容
事由が生じた日から14日以内に提出
  • 雇用契約に関する届出
  • 支援計画に関する届出
  • 登録支援機関との委託契約に関する届出
  • 特定技能外国人材の受け入れが困難になった際の届出
  • 不正行為を知った時の届出
四半期ごとに提出
  • 特定技能外国人材の受け入れ状況に関する届出
  • 支援計画の実施状況に関する届出
  • 特定技能外国人材の活動状況に関する届出

また、漁業特定技能協議会が定めた各種報告を、2号構成員に行わなければなりません。

届出不履行や虚偽の報告などにより違反すると、罰則(改善命令や罰金、懲役、登録の取り消しなど)の対象になるため注意しましょう。

特定技能定期報告に関しては以下の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

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特定技能定期報告とは?出し忘れるとどうなる?ケース別の必要書類や書類作成のポイントも紹介

まとめ

漁業分野では、人材不足を理由に特定技能外国人の受け入れが進んでいます。令和5年から令和6年にかけて特定技能外国人の人数は増加しており、漁業分野も例外ではありません。

人材不足に悩んでいるなら、受け入れに関する規則や受け入れ後の届出のルールを遵守した上で有効活用しましょう。

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