官公庁・自治体

奈良県-委託での効率化をきっかけにさらなる業務改善が進んだ

給与や旅費事務のBPOサービス

奈良県-委託での効率化をきっかけにさらなる業務改善が進んだ

奈良県では、公立学校の教職員の給与計算や旅費の申請に関する事務負担を減らすため、令和7年10月にBPO※サービスを導入。それをきっかけとして、職員にさらなる業務改善の意識が芽生えるなど波及効果が生まれたという。

※BPO=Business Process Outsourcing(業務の一部を外部へ委託すること)
※下記は『ジチタイワークスVol.45』(2026年8月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。

奈良県

基本情報
人口:1,266,804人
世帯数:562,440世帯(令和8年6月1日時点)

インタビュー協力

係長 下川 大輔(しもかわ だいすけ)さま

奈良県
教育委員会事務局 教職員課

係長 下川 大輔(しもかわ だいすけ)さま

主任主事 太田 光樹(おおた こうき)さま

奈良県
教育委員会事務局 教職員課

主任主事 太田 光樹(おおた こうき)さま

主事 村井 亮太(むらい りょうた)さま

奈良県
教育委員会事務局 教職員課

主事 村井 亮太(むらい りょうた)さま

人事異動と給与処理が重なる繁忙期は電話対応に追われ疲弊することも。

教職員課では、公立学校に勤務する教職員、約1万2,000人の給与や旅費に関する全ての事務を担っている。「3~5月は、新規採用や人事異動に伴う給与や手当の変更処理が集中します。4月の支給日に間に合わせるため、土日出勤で対応せざるを得ない状況でした」と下川さんは振り返る。特に負担だったのが、教職員からの問い合わせだ。手当の申請方法や提出書類の確認などで、1日の半分以上を電話対応に費やすこともあったという。

「メールでの問い合わせへの移行も試みましたが、結局は個別対応で、回答を全体に共有もできず、電話は鳴りやまない状況でした。さらに、給与や旅費の計算は"正しくて当たり前"というプレッシャーが大きく、経験が浅い職員には精神的な負担を感じやすい環境でした」と語る。

この状況を打開するため、同課は問い合わせ対応から審査まで、一連業務の委託を決定。総合評価落札方式による入札の結果、選定されたのがBPOサービスを展開する「アデコ」だった。決め手となったのは前向きな提案内容だ。「業務代行にとどまらず、審査工程の棚卸しなど、業務改善まで踏み込んだ提案が印象的でした」。豊富な受託実績も安心材料となり、令和7年10月に委託を開始したという。

委託による課題解消と組織の意識変化

想定を超えた仕組みやツールで業務を委託しながらDXが進む。

同課は当初FAQの作成を想定していたが、提案されたのは、WEBフォームで質問を受け付け、その内容と回答を蓄積していく仕組みだった。蓄積データをもとに最適な回答案が導かれるスキームを駆使して、効率化と標準化を目指すという。「対応を重ねるほど回答が半自動化していくという、自分たちにはない発想に驚きました」と太田さんは語る。

教職員への定着を図るため、同課は説明会や通知などを通じて"原則WEBフォームでの問い合わせ"という新ルールを周知。過去の反省を踏まえ、電話は緊急時のみと明確化した。「導入当初は直接電話で確認したいという声もありましたが、同社の回答の質とスピードが安定するにつれて現場の不安は徐々に解消されてきていると思います」。

また、週1回の同社との定例会議を通じて様々な業務改善が進められている。その一つが約300校に及ぶ給与明細の配信自動化だ。従来は各校の明細ファイルを、職員が手分けしてシステム上に一件ずつ手作業で添付・送信していた。「従来のシステムが動かなくなり、困って同社に相談したところ、ファイルと宛先を自動でひも付ける代替ツールを構築してくれました。送信ボタン一つで送れるようになり、作業時間を大幅に削減することができました」と村井さん。

業務整理からDX推進まで改善が続くBPOサービスの強み

問い合わせの減少に加えて、業務改善にも取り組むように。

給与事務に関する問い合わせ対応を原則外部委託したことで、1日に10件以上あった電話対応は1~2件にまで減少。経験の浅い職員が個別に電話対応するプレッシャーが減ったことで、"心の余裕"にもつながっている。加えて、同社と協議しながら審査工程の棚卸しにも着手。長年慣例として行っていた必要性の低い確認作業を審査対象から外すなど、実務に即した改善を進めている。

この伴走支援は、思わぬ波及効果を生んだ。「同社の効率化を目の当たりにして、以前にも増して自分たちも業務改善を進められるという意識が高まり、ほかの業務の改善にも取り組みはじめました」と太田さん。各市町村への退職手当の照会フローを見直し、約50時間の業務時間を削減したという。今後は、給与事務だけでなく、人事関連業務などほかの領域へも委託拡大を検討していく構えだ。「日々の定例業務に追われるだけの組織ではなく、新たな仕組みや価値を生み出していける組織へと変わっていきたいです」。

導入実績

よくある質問

Q. 導入前のサポートはある?
A. 他自治体の改善事例の紹介や、公募・予算化に向けた準備、仕様書作成などをサポートします。

Q. 業務効率化の提案も可能?
A. 業務を可視化した上で、現場に合ったAIやDXツールを提案します。

本記事は『ジチタイワークス』に掲載された記事を転載しています。
出典:ジチタイワークス『ジチタイワークスVol.45』(2026年8月発行)
掲載元の記事はこちら:委託での効率化をきっかけにさらなる業務改善が進んだ。
※内容・所属・役職等は取材時のものです。

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