【Adecco Academy導入事例】人材定着を目指し、バンダイナムコスタジオならではの育成文化を醸成

世界的な人気タイトルを多数手がけ、日本のゲーム業界をリードし続ける株式会社バンダイナムコスタジオ。前身企業の創業から50年以上の歴史を持ち、エンターテインメントの最前線で新たな価値を創造し続けています。
バンダイナムコスタジオ:https://www.bandainamcostudios.com/
バンダイナムコスタジオでは、2024年の組織改編を機にAdecco Academyを本格導入。OJTトレーナー研修をはじめ、若手・中間層向けの育成プログラムを段階的に展開しています。その背景には、競争が激化するゲーム業界において、優秀なクリエイター・エンジニアの育成と定着を図り、「バンダイナムコスタジオに所属し続ける価値」を提供したいという強い想いがありました。
ご依頼者さま:
株式会社バンダイナムコスタジオ
人事総務部 アシスタントマネージャー 平野響子さま(写真左)
※役職は2025年11月現在のものです。
提供サービス
導入前の課題
- 新人と配属現場のギャップを解消し、継続的に育成できる仕組みを整えたい
- 職種別組織への大規模な移行に伴い、プロジェクト単位ではなく職種という組織全体で人材を育てることが不可欠に
- 優秀な若手・中堅層が他社へ流出するリスクを抑え、自社に所属し続ける価値を提供するために体系的な育成体制の構築を急ぎたい
Adeccoを選んだ決め手
- エンジニア出身で現場経験を持つ講師による専門性の高い講義が、開発寄りの社員にとって納得感が強かった
- 受講者の業務状況を考慮し、バンダイナムコスタジオの特性に合わせて柔軟にプログラムを構成してくれた
- 自社の常識に囚われがちな内製研修の限界を超え、外部の客観的な視点から本質的なスキルを習得できる点に期待した
導入後の成果・効果
- 「対話=育成である」という共通認識が広まり、社員一人ひとりを大切にしたいという意識が全社で高まった
- 1,000名を超える組織の中で研修が初めての出会いや交流の場となり、職種やプロジェクトを超えて悩みを共有できる仲間ができた
- 傾聴の本質を体感するワークを通じ、パソコンを閉じて相手と向き合うなど、現場でも活かせる具体的な行動の変化が現れた
新人と配属現場のギャップを解消したかった
Adecco Academy受講前の課題について教えてください。
平野さま当社では、新人研修用にバーチャル組織をつくり、開発現場から選抜したインストラクターによる専門的な育成を行っていました。しかし、研修を終えた新人が配属される現場は、その研修に関わっていない方々がほとんどです。
現場のOJTトレーナーは「新人をどう受け入れればいいのか」「どんな心構えで接すればいいのか」と悩んでいました。一方で新人は、充実した研修を受けてきた分、配属先への期待値が高い。このギャップをどう埋めるかが大きな課題でした。
さらに2024年から、従来のプロジェクト型組織から職種別組織へと大きく舵を切りました。エンジニアはエンジニア組織、アートはアート組織といった分け方です。これまでも設立後何度か組織変更が行われましたが、今回は特に大きな変革でした。市場価値の高い人材をプロジェクトに閉じ込めるのではなく、職種という組織全体で育成していく。そのために「育成の型」を共通言語として持つ必要性が高まっていました。
ゲーム業界のクリエイターは引く手あまたで、優秀な若手や中間層が他社に引き抜かれるリスクが常にあります。職種同士の対話を増やし「バンダイナムコスタジオに所属し続ける価値」をしっかりと提供したい。そのためには、体系的な育成が不可欠でした。
エンジニア出身講師の“現場を理解した研修”が決め手に
どのような部分を魅力に感じられ、Adecco Academyを選ばれたのでしょうか。
平野さま講師の専門性が高く、現場経験を持たれていたことが決め手のひとつです。エンジニア出身の講師の言葉は、開発寄りの社員にも伝わりやすく、満足度は非常に高かったです。
具体的には、どのような点が評価されたのでしょうか。
平野さま 柔和な語り口と、すぐに現場で試せる実践的な進め方です。「自己開示から始める」「雑談してから本題に入る」といった、信頼関係を築くための具体的な手法に、社員からは「コミュニケーションの参考にしたい」という声が多く寄せられました。
もう一つの決め手は、カスタマイズ性の高さです。多様な業界をサポートされてきた経験をもとに、当社の特性を理解し、限られた時間で最大の効果を生む構成を提案してくださいました。他社では「2日間必要」だと言われた内容を、当社の状況に合わせて1日で実現できるよう構成してくださいました。
また、内製の研修ばかりだと、どうしても自社の常識に囚われてしまうこともあります。「うちではこうやっている」という前提で話が進みがちなところを、Adeccoさんは客観的な視点からアプローチしてくださいます。不安よりも、期待の方が大きかったですね。
実践ワークが教えてくれた「傾聴」の本質
Adecco Academyで特に印象的だった点はありますか。
平野さま傾聴の重要性を体感するワークは、非常に効果的でした。
「天使と悪魔の聞き方」といって、目も合わせず相槌も打たない「悪魔」役と、しっかり向き合う「天使」役を演じ分けるワークです。クリエイターの多くはパソコンに向かったまま話を聞いてしまいがちですが、そうされた側がどう感じるかを実体験しました。「自分も気をつけよう」という気づきが、多くの社員に生まれた瞬間です。
社員のみなさまの反応はいかがでしたか。
平野さま研修中、パソコンで他の作業をする社員はおらず、全員がパソコンを閉じて集中していました。グループワークでの他者の意見を、熱心にメモしている姿も印象的でしたね。もともと勉強好きな社員が多いのですが、それ以上に「自分ごと」として捉えていたのだと思います。
さらに、今まで自己流でやってきたことが研修で言語化され、「これで良かったんだ」という自信に変わったという声も多くありました。体系的に学ぶことで、経験が確信に変わる瞬間に立ち会えたのは、大きな成果のひとつです。
組織を超えた交流が生まれ、「育てる」意識が醸成された
研修後、現場でどのような変化が見られましたか。
平野さま「育てる意識」が明確に強くなりました。研修後、2年目、3年目の社員と面談すると、しっかりとした育成計画のもとで、業務に取り組んでいることがわかります。人材不足の時代だからこそ、今いる社員を大切にしたいという意識が社内全体で高まりました。
特に変わったのが1on1への取り組みです。テレワーク中は日常会話を補完する目的で実施していましたが、出社する体制に戻ってからは、やや形式的になっていました。Adeccoさんに実施していただいているさまざまな研修を通して、「対話すること=育成である」という本質を再認識できたと思います。
さらに、組織を横断した交流も生まれました。当社は1,000名を超えるクリエイターが在籍しており、職種やプロジェクトが異なることで接点がない社員も多いです。
しかし、研修が「初めまして」の場となり、育成や業務についての悩みを共有できる仲間が増えました。今回のようなタイミングを機に、定期的な社内交流会も実施できればと考えています。
学習した「引き出し」をもとに、チームで共創できる仕組みづくりへ
今後の展望を教えてください。
平野さまものごとを整理して考える方法を、体系的に学べる場をさらに増やしていきたいですね。テクノロジーがどれだけ進化しても、論理的『思考力』は欠かせません。特に若い世代には、早いうちから物事のとらえ方や思考法を、しっかりと学ぶ機会を提供してあげたいと思っています。
特に、私たちが大切にしているのは「引き出しをつくる」こと。研修で学んだことを活かす機会は、すぐには来ないかもしれません。でも、それでいいんです。「そういえばこんな方法があったな」と思い出せる“引き出し”があることが、何より重要だと思います。
ゲーム開発も同じです。日常生活や他のエンタメからアイデアを得ることも多いでしょう。その引き出しがあるからこそ、時が来た時に活かすことができる。ビジネススキルも同じですよね。
最後に、メッセージをお願いします。
平野さま開発が複雑化する現代では、専門知識だけでなく、問題解決の手法を知っていることが、仕事の進め方を大きく変えます。Adeccoさんの研修で学んだ考え方を、ぜひ周囲の仲間にも伝えてほしいです。
当社には「挑戦・自律・追求・共創」という行動指針があります。特に「共創」を大切にしているので、チームに学びを還元し、組織全体に成長の循環を生み出してレベルアップにつなげられるようになっていただきたいです。それが最終的に、お客様に本当に楽しんでいただける作品づくりにつながると信じています。
そして、AIがどれだけ発展しても、最終的に「面白い」を判断するのは、私たち人間です。だからこそ体系的な育成を通じて、より自信を持って作品を生み出せる組織になれるように。当社全体で、引き続き取り組んでいきたいですね。
※インタビュー内容は、取材当時のものです。


