「からだの健康」のお悩み・ご質問
橋本先生からの回答
「四十肩」は40~50歳代を中心に、多発する肩関節の痛みと腕が上がらない、手が後ろに回せない等の運動制限を主な症状とします。そのため洗濯物が干しづらくなったり、肩よりも上のものが取りづらくなったり、背中のファスナーがあげられなくなったりします。
四十肩でいろいろ試されてもあまり効果がないとのことですね。本来であれば現在の可動域や姿勢などお身体の状況を拝見して効果がでない原因がどこにあるのか、仕事の内容や生活習慣をお聞きしながら施術を進めます。
今回は姿勢に問題があると仮定し、改善が進まないケースとして肩甲骨が開く運動を紹介します。肩甲骨が開かないと肩甲骨の後ろ方向での動きが小さくなり、背面での動きで肩関節に負担がかかってしまいます。このエクササイズで背骨と肩甲骨の動きを改善しながら広い範囲で無理なく肩甲骨を動かせることを目指しましょう。1日20回くらい動かしていくうちに可動域が改善され、痛みを感じずに動かせる範囲を増やし痛みの悪循環を断ち切り、改善の方向へ身体を導いてあげてください。
また腸腰筋も姿勢に大きく影響する筋肉になりますので、同じ姿勢が続いた時に「腸腰筋ストレッチ」を取り入れていただくと「ウイングエクササイズ」との相乗効果が出ると思います。
橋本先生からの回答
在宅勤務がメインとなり通勤が意外といい運動になっていたという話は私たちも日々現場でお聞きしています。リモートワークは終日、同じ姿勢で過ごすことが多いと思いますので、まずは、からだを緩める⇒鍛える運動を動画で紹介しますので、この順で試してみてください。
1 からだを支持する筋肉
「骨盤スクワットエクササイズ」動画を見る
2 関節を動かす筋肉
「ウイングリセットエクササイズ」動画を見る
「ウイングエクササイズ」動画を見る
上記のエクササイズを1日20回くらい入浴前などに行い、動きやすく使いやすい関節をつくること。動きやすくなると自然と運動量が増します。慣れてきたらこのエクササイズをペットボトルに水を入れたものを鉄アレイ代わりにして徐々に負荷を増やしていくのもおススメです。まずは無理をせずに自分の身体と向き合う時間をつくり習慣にする中で、自分にとって心地よい運動を見つけるのが良いと思います。
橋本先生からの回答
このようなお悩みの場合は、まず整形外科を訪問してみてください。足がつる原因は体の冷え、汗をかく季節ですと水分不足、栄養面ではミネラル不足も考えられます。 私の専門分野からアドバイスをしますと、筋肉のつる感覚は
- 筋力不足によるもの
- 腰椎などの問題があり症状が出ているもの
- 鼠径部(足の付け根のややくぼんだ線より上にある三角状の部分)を通る筋肉の緊張で神経血管を圧迫してその先の神経伝達や血流が滞っているもの
上記のような原因でつる症状が出ていることも考えられます。こうした症状はストレッチやお腹をあたためて改善されることもあります。ストレッチを動画で紹介しますので、試してみてください。
また、女性の場合は婦人科系のトラブルからくる腰部の筋肉の緊張・痛みからの問題がでることがありますので。生理痛が強い方、隔月で痛む場合など、片方の卵巣に問題があることも。その場合は婦人科を訪ねてください。
益子先生からの回答
不眠の改善のための工夫を続けていらっしゃるのは素晴らしいことです。ただし、寝れないことを何とかしよう、寝ようと思えば思うほど、アタマは緊張してしまうもの。せっかくの良い習慣も、やらなくちゃ!と義務感になってしまった結果、寝られなくなってしまうという悪循環に陥りがちです。
自分のイメージするベストな睡眠を100点として、60点の睡眠を意識してみましょう。100点とれなくても何らかの支障が出るわけでないはずです。そもそも生活は毎日異なりますから、必要な睡眠も毎日違うものです。100点から物事を見ると全部マイナスになってしまいます。翌日、少なくとも支障なく生活できれば合格。とりあえずこれなら大丈夫という睡眠に対する安心感が得られるように、自分のアタマを設定しましょう。大事なことはからだもこころも力が抜けることです。ルーティーンで眠るための儀式は、五感からアタマに「もう寝る時間だよ~」という刺激を与えるもの。「これをやれば眠れる!」と見返りは求めず、からだやこころが気持ちいいと感じられていることそのものを味わいましょう。
からだもこころもリラックスできる方法として、入浴は効果的です。眠りたい時間の2時間前までに済ませましょう。体温がゆっくり下がりながら睡眠に入るのがベスト。熱いお風呂は体を急速に冷やそうとして逆効果になってしまうので要注意。そして、寝る前の時間をのんびりと楽しむように、リラックスすることが肝心です。
益子先生からの回答
浮腫みは更年期に特有ということはなく、さまざまな原因があります。体の不具合がないかチェックするためにも、症状が酷い場合は一度、内科など医師に相談してください。
更年期以降で注意が必要になるのは下肢静脈瘤。これは下腿(膝から下)の静脈の変化が起こり、血管の機能が低下するために血流が滞って瘤ができてしまうというものです。ふくらはぎの筋肉でポンプすることで心臓に血液を戻していますが、筋肉が衰えるとその機能がうまくいかない。血管が浮いて見えたりするのも症状の一つです。静脈瘤が酷くなってしまうと手術が必要です。
上記のような、治療を要する病気がないという前提で考えられる浮腫みの原因は、冷え、栄養状態、姿勢、運動不足、睡眠など生活習慣全般において多岐にわたります。女性の場合は圧倒的に冷えからくることが多いです。足先だけでなくお腹を温めること。お腹が冷えていると、足へ流れる血液が冷たくなるので余計に冷えます。また、たんぱく質やミネラルなど栄養素の不足も考えられるので、食事や栄養の見直しもしてみてください。姿勢や身体の使い方も血流や気の巡りに影響します。筋肉に凝りがあると血行やリンパの流れも悪くなり、老廃物が溜まります。そして一番は浮腫み、すなわち水分が細胞に貯留している状態そのものが体を冷やしています。さまざまな面からアプローチをしてみてください。
益子先生からの回答
薬を長期間服用した場合の副作用についてより、長期間服用し続けることそのものに対する問題意識をお持ちのようですね。そもそも症状が繰り返し起こることに対する治療方針、服薬について納得されていますか。
皮膚科に限らず、薬は必要な時に必要な分をしっかり服用することで、その効果を最大限に活用するものです。状況により薬の効果を判定するまでの期間に違いはありますが、薬が効いているかどうかわからないまま漫然と服用するのは、いろいろな意味で一番もったいないことです。薬についての不安があれば、遠慮なく医師に伝え、確認してみてください。
なぜこの薬を飲むのか。どの症状に対してどのような効果を期待して使うのか。自分の体に入れるものですから、最低限のことは把握しておきましょう。
治療方針や目的によって、薬を服用する期間も変わってきます。例えば、痛み止めのように症状に対する薬もあれば、血圧を下げる薬のように長期間服用することを前提にしているものもあります。体質改善が目的であれば、時間がかかることになるでしょうし、漢方薬の場合は同じ症状でも体質によって選択する薬が異なります。
医師が適切な判断をするためには、自身の状態や服用した結果について正直に医師へ伝える必要があります。結果として、短期間で処方を終えられることもあれば、長期間処方を続けないとならないこともあります。副作用への対処も含め、その時々で必要な手当てについて腑に落ちていれば、安心して服薬することができると思います。プラセボ効果があるように、服薬への意識や意図はその効果に大きく影響しますから、飲むときは「自分の味方になってくれるもの」と思って気持ちよく!それが薬の効果を最大限利用できるコツです。
ストレスや疲れが表面化するというのは、からだがサインを出せている証拠です。体質改善を目的とするならば、薬以外の方法も重要です。食事その他の生活習慣を含め、自分の体をケアする「時間」を確保してみてください。
オススメは朝、起床後の5分間。窓を開け外の空気を入れて呼吸を整える。ストレッチや瞑想も効果的です。自分の時間が持てないと考えがちですが、現在の生活タイムスケジュールにおいて、歩いているときや通勤電車の中など、その時間を意識して変えてみるだけで自分の時間になります。無理して新しい時間を捻出しようとしても続かないものです。今の生活の中で質をあげることを意識して、からだが気持ちいいと感じられる時間の使い方を見直してみてください。
益子先生からの回答
季節、気候、天気の変化によって出現したり悪化したりする心身の不調は「気象病」と呼ばれます。頭痛や神経痛などの痛み、低血圧、めまい、耳鳴り、狭心症、喘息、不安・うつなどさまざまな症状の総称であり、正式な病名ではありません。
気圧の低下に不調を訴えることが多く、その変化が急であるほど症状が強くなります。雨や台風などでは頭痛など痛みも出現します。気圧の変化を感じるセンサーは耳の中にある「内耳」です。ここで変化を感じると脳に伝わり自律神経が興奮します。内耳が敏感だと少しの変化でも情報が伝わり、脳が過剰に刺激されてしまうことになります。
こうした症状を改善するために、以下の5つを試してみてください。
- 生活リズムや環境を整える:一定の温度・湿度で整え、体力の消耗を減らしましょう
- 身体の許容範囲を広げられるようにする:適度な運動、適度な刺激に慣れるようにしましょう
- 栄養と睡眠をしっかり取る:特にビタミンB群やミネラルをたっぷり摂りましょう
- 耳まわりのケア:耳を優しくマッサージすることによって耳の周りにある筋肉を動かして血流を促しましょう
- 雨の日など調子が悪くなりそうな時に身体が気持ちよいと感じることをやってみる:雨の日だからこそ楽しくなること、心と身体が喜ぶようなことを積極的にやってみるのもオススメです。
益子先生からの回答
極端な症状で生活に支障が出るような場合、まずは医療機関を受診してください。その結果、薬を飲むほどでないと診断されれば安心材料になります。ホットフラッシュは漢方薬で症状を緩和することもできます。症状をコントロールするなら、薬の力を借りることも一つの方法です。薬を飲みたい飲みたくないという趣向的なことではなく、一番大事なのは症状に悩まされる時間を減らすこと、と考えます。薬でその時の症状を改善できるのなら、良い状態で過ごせるほうがいいですね。改善しようとするあまりストレスを抱えてしまうより、いろんな手段を試してみるほうが気持ちよく過ごせます。薬は飲まないに越したことはありませんが、ツールとしてどう使うかです。もちろん薬にはメリット、デメリットがあります。主作用と副作用、それを比較した時にどちらを取るかですが、自分が気持ちよくいられる方を選択できるとよいと思います。
服を脱いでも暑いのはどうにもなりません。汗が噴き出す症状は、自分の気合や工夫でどうなるものでもありません。寒い時期は、体温を維持するために体は燃やす方向にエネルギーを使いますので、さらに調節が困難となり暑さを感じやすくなります。我慢できないようなら医療機関を受診してくださいね。
更年期はカッコイイ世代でありたいものです。年を重ねてこそ魅せられる美しい佇まいがあって、年を重ねることも悪くないと思っています。更年期は「体内で大幅リニューアルが起こっている」と認識してください。体が向かっている方向に意識を向けることが大切です。
益子先生からの回答
脱毛や蕁麻疹など皮膚の症状は、心身に何らかの負荷がかかったときにみられることがあります。体力や気力をたくさん消耗した時にオンタイムで出現するだけでなく、ちょっとタイムラグがあって出ることも多いです。それがなぜなのかは明確にはわかっていませんが、おそらく人間の体はどんな刺激に対しても適応しようとし、そこにたくさんのエネルギーを使い、常に体をベストな状態にしていますが、その瞬間は何とかなっても、ずっとその状態が続いたり、エネルギーを使った後のケアが十分でなかったりすると、疲労が蓄積して体がアラートを出します。スマホが「充電してください」となるような状況です。電池マークなら残量の減り具合がわかりますが、人間には電池マークがありません。症状として、時として突然出現する……ということではないかと考えます。水滴がコップに溜まって表面張力が崩れた瞬間にこぼれるように、体内に溜まったストレスが一気に流れ出るようなイメージです。
ストレスによると思われる脱毛であれば、物理的には髪の毛はまた生えてきます。医師に相談して、薬などとりあえず処置をおこなうことも必要でしょう。その前提として、起こってしまったことに対して否定的なイメージを持ってしまうとさらにストレスになってしまいます。症状に対して「あぁ、わたしの体はこれまでがんばっていたんだ」と、体からのサインを受け止め自分を認めてあげることです。「今アラートを出せてよかった」「アラートが出せるなら大丈夫」という受け止め方が大事だと思います。皮膚症状は見るたびに心が痛みますが、今はウィッグも素敵なのが揃っていますから、どうせなら楽しみながら活用して、気長に回復を待ちましょう。
コロナ後遺症についてはいろいろな見解がありますが、確実な根拠はありません。「後遺症」に縛られるのは回復を遅らせることになりかねません。コロナに罹患した時にそれだけ体が消耗したということであり、不具合は残っていたとしても、熱も下がりご飯も食べられるようになるところまで回復しているわけです。さらに回復するためには何が必要なのか、体が楽になるためにはどうしたらよいのかを想像してみましょう。
ダメージを受けた後、回復するには栄養が基本です。体は食べたものでできています。体をつくるための材料が十分にあるか、作れる状態があるか、体に不都合な負担がかかるような食べ方をしていないか、そういうことを点検するだけでも違うと思います。特に亜鉛不足は皮膚の症状に出やすいです。たんぱく質も十分に摂取しましょう。栄養バランスや食べ方を見つめ直す機会にしてみてください。
「こころの健康」のお悩み・ご質問
益子先生からの回答
<相談者の背景>
常に何かに追われているようにバタバタと過ごしています。そのため3歳になる子どものイヤイヤ期にも優しくなれないのです。さらに子どもから「ママ嫌、あっち行って」「パパが良い」と言われてしまうと、「こんなにやっているのに!」と、切なさゆえに優しく接してあげられていないことが多いです。1日の大半を保育園で過ごしているので、朝と夜のたった数時間しかない子どもとの時間を、本当はもっと笑顔で過ごせるようになりたいです。現在子どもの成長が大きく、色々なことができるようになったりと、褒めてあげたいのにキツく当たってしまい、毎日寝顔を見て反省しています。
<回答>
完璧を求めがちながんばり屋さんなのですね。自分の思い描く「100点」をとろうとすることは決して悪いことではありませんが、「ここまでやりたい」という気持ちが、「ここまでやらねば!」と義務感になってしまうと自分を苦しめてしまいます。
ゆとりが全く持てないためにお子さんに優しくなれない、と考えているのであれば、どのようにゆとりを持てるようにするか、ですね。一言でゆとりといってもさまざまです。例えば、時間が1時間あってもゆとりを感じられないこともあれば、1分でも感じられることもあります。場所によって、あるいは誰かと会うことで感じられることもあるでしょう。つまり、自分が感じられるかどうかであり、ゆとり、さらにはその根底にある「安心」を感じようとする意識がなければ、どんなに条件がよくても感じられないということです。
では、ゆとりがあればすべて自分の思うようにいくのか、というと、そうではありませんよね。自分が思うような結果を得られないのは、ゆとりが持てない環境、すなわち「自分以外」に原因があるという考え方に立ってしまうと「こんなにやっているのに……」という言葉が出てきます。結果にこだわると、評価が気になるものです。結果を期待せず、ただひたすらに必要であること、自分がやりたいと思ってやっているという視点に立つと、周囲からの評価を期待することは薄れてきます。
まず、がんばっている自分をあなた自身が認めてあげてください。本来のあなたは、仕事も子育てもイヤイヤやっているなんて思っていないはずです。こうありたいという自分になれていないこと対して、ダメ!と否定してしまうことでさらにがんばってしまうというループができてしまう。すなわち、自分の「設定」に追われてしまうのです。そうしなければと思っているのは他でもない「自分」であり、自分でその設定を変えることができれば、追われていることから簡単に解放されるものです。
子育ては仕事以上に、自分の思うようにいかないものです。うまくいかないとモヤモヤを抱えながら自分を縛ってしまい、どうにもならなくなってしまう。思うような結果を得ることにこだわっていると、何を言われても納得できずに撥ねつけてしまい、周囲からのサポートを素直に受け入れることもできません。自分自身が自分を認められていないことが根底にあることがすべての発端であるということを理解しましょう。
世の中は、自分では思うようにいかないもの、基準があいまいなもの、日々状況が変化するものばかりです。自分ができることに目を向けて、結果に期待しない、結果で評価しない、という在り方でいきましょう。それでも結果が気になってしまうのであれば、自分のできること、やったことについて、ここまでできていればとりあえず合格といえる60点を設定してみてください。100点を取れていない!というストロークが自分を苦しめることになり、そのようなお母さんをお子さんはみていますので、お母さんが設定した100点の子どもにならないと認めてもらえないとお子さんは敏感にキャッチします。イヤイヤ期は「自分はこうだ!」という自我の目覚めであり、ただでさえ何に対してもイヤ!なのに、こちらが思うようにしようとすればするほど反抗が強くなるのはなおさらです。子どもの成長としては喜ばしいことなのに、それを喜べないのは切ないですね。
でも、お母さんが自分のために必死になっていること、自分を愛してくれていることをお子さんは感じていて、ちゃんとわかっています。だからイヤイヤできるのです。そのようなお子さんに対して、一人の人間としてどう接していくか?を考えてみてください。そして、愛情が芯にあるか。その愛情とは、他人よりもまず自分を愛することができているかが重要なのです。シャンパンタワーのように、まず自分が愛情で満たされていないと、他の人に愛情を注ぐことはできません。自分で自分を大事にすること。そのために借りられる力は何でも借りて、周囲にも助けてもらいましょう。お母さんの笑顔で子どもは安心できるのです。
益子先生からの回答
過去の出来事で嫌な思いがよぎるのは誰でもあることです。人間の頭には記憶という引き出しのような倉庫があるので、そこに入っているものがふっと出てくることは異常ではありません。ある出来事が嫌な思い出として記憶されているとすれば、それは起こった事象自体ではなく、それが起こった時に自分が「嫌だな」と感じたから。つまり、自分が抱いた感情が処理されていないと、出来事を想起したときに甦ってしまうわけで、言い換えれば、感情が処理できていれば、思い出したときにフラッシュバックとして感じることは少なくなるわけです。
感情を手放すにはコツが必要です。ある事象は、塗り絵のように本来は色がついていないはずなのに、自分がそれに色を付けている。色を変えてみれば事象も変わって見えるものです。そういう捉え方があると認識するのがまず一つ。
とはいえ、ある事象を青色に見ていたとしたら、その色がいきなり変わることはありません。でも、青い世界に浸かるのではなく、青い色を塗っていたから、あるいは、色のついた眼鏡をかけていたからこう見えたのだと、ちょっと離れて意識してみてください。別の色を塗れば、眼鏡を変えれば、別のように見えるものなのだ、と気づくことができます。「わたしはあの時、悲しかったから青色で塗りたかったんだ、青色の眼鏡をかけていたんだ」と、自分の感情を認めてあげると、感情がスーッと離れていくことを感じることができると思います。
抑圧された感情がベッタリこびりついた状態で引き出しに入っているので、引き出しが開くたびにベタっと出てくる。出てきたときに感情に向き合って、整理したり、感情という色を塗り直したり、別の視点で眺めたりして、丁寧に入れ直してあげてください。少しずつでよいのです。時間をかけて何度でも、根気よく感情を手放していくことで見え方が変わってきます。そうすると過去が変わって見えてきます。
抑圧された感情をいかに解放できるか、ある意味で「感情を成仏させる」ということです。クリアでニュートラルな状態であれば、新たな体験への不安や恐怖も感じにくくなります。自分の意識次第で、さまざまなことを楽しむことができる、より豊かなこころでいることができるでしょう。
益子先生からの回答
もちろん!自分の意識次第でいつからでも改善できます。
自己肯定感が低い。その理由はさまざまあるかもしれませんが、最終的にそのように考えることを選択しているのは自分です。「自分はダメなんだ」と思うことで、結果として安心している。あるいは、そう考えるのが好きであるというアタマの使い方のカラクリがあることに気づいてください。
自己肯定感が低いこと自体は悪いことではありません。でも、それが嫌なら手離せばいい。まず、自分がそれを選択しているということを認識しないと手離すことができません。「自分はダメなんだと思うことを選んでいたんだ」と認めたうえで、自己否定とサヨナラする。これからは自分のよいところにも目を向けて、そうした自分を認めて肯定する。
ここで重要なのは、自己肯定感が低い自分を否定しないこと。自己肯定感を上げることがよくて低いのがダメ、と相対性の軸で考えず、どちらの自分でもよいという絶対性の軸で考えて調和させましょう。自分はダメだなぁと思うことはあっても、そんな自分でも愛しい存在であり大丈夫であると思えるようになること。自信とは、文字通り「自分を信じられる」ということ。いつだって一生懸命である!という自分に対する納得感を持ちましょう。そうすれば自己肯定感は上がるはずです。
益子先生からの回答
不満やイライラは否定的に捉えがちですが、自分の思うようにいかないものに対する反応として当然の感情です。そのような感情そのもの、そして、その感情を抱いてしまう自分を否定しないでください。
とはいえ、仕事や家庭、人間関係など、その対象に限らず、自分の思うようにならないものはたくさんあるし、思うようにならないことだらけですよね。その都度イライラしていたら疲れてしまいます。
自分に余裕がない時は、物事への捉え方がギスギスしてしまいがち。余裕があれば感情の部分とアタマで考える理性を切り離せますが、余裕がないと感情が大きくなって理性が働かなくなってしまう。感情がぶつかり合うと嫌な記憶として残ります。家族には感情をぶつけてしまうことが多いもので、他人なら離れてしまえばいいけれど家族は離れることができません。だからこそ上手に距離をとるのは大事なことです。
感情をコントロールできる自分をいかにキープできるか。つらいときは逃げていいのです。自分が安全安心でないと相手に対してもやさしく接することはできません。一時的にでも安全なところまで逃げることは大切です。自分を大切にできる時間を作り、からだとこころのメンテナンスをしたうえで、思うようにならないことに対してどのように対処するか、適切に向き合える準備をしてください。
心理テストは、あくまでも自分のクセを客観的に捉えるために活用しましょう。エゴグラムは人間関係の心理学理論に基づいて作られており、性格を5つの自我状態に分けて分析するもので、自分の行動パターンを客観視できます。自分の特徴をふまえてよりよい人間関係を構築するのに役立ちます。
益子先生からの回答
涙が出る現象をからだが発するサインの一つと考えます。脳や体が疲れるくらいがんばっていて、からだの疲れを意識するとがんばれなくなってしまう……そう無意識に感情を抑え込んでしまっている。抑え込んでいるのもわからないくらいがんばっているのかもしれませんね。からだから「ヘトヘトで、結構キツイんですけど…」とサインを発しても、がんばっている自分は気づけない。そうしたときに、泣きたくなる、ということが起こるのだと思います。
涙は感情が高ぶっていなくても常に流れています。からだにとって、出るものが出せなくなることはストレスになります。たとえば呼吸も息を吸うことより吐き出すことができないほうがツライ。出すと新しいものが入ってきます。泣きたい、涙を出したいのはからだからのサインで、泣きたいのに泣けないほうが要注意。涙にはストレス物質も含まれているうえ、涙が流れるときには副交感神経が優位になっていて、からだがリラックスしようとしている。涙を流すことでからだのバランスを取っているとも言えます。
円形脱毛という症状で皮膚に現れるのも同様です。自分を振り返ってみて、ここまでがんばっていたのだ!としっかり認めて、からだとこころを労わってあげましょう。
益子先生からの回答
精神的なストレスが何らかの症状としてからだにでることをどう捉えるか?ですね。わかりやすくからだに症状が出て、むしろ早く対策が講じられると考えることもできます。からだから発せられるサインを感知できることは素晴らしいことです。病気にならないようケアするのは大事ですが、ストレスを考えないようにするのは無理があります。無理があるから、回避したり不都合な行動をしたりしてしまうわけです。ストレスがないことのほうが不自然。ストレスがあっても大丈夫なからだづくりをしましょう。
周囲からの刺激に敏感に反応してしまうと、たくさんのエネルギーを消費して、疲れてしまいますね。その分、充電をしっかりする必要がありますし、余計な消費を防げるような工夫をするのも大事です。
自分にとってどうにもならないことがあった時、それとどう向き合い対峙するか。そういう自分の在り方を見つめ直してみましょう。自分にとって、仕事のどんなことがストレスなのか?でも、仕事が終わったときに解放されたと感じるような働き方をしているのも、その仕事を選んでいるのも自分です。一日の多くの時間を費やす仕事に対して、ストレスを抱えてイヤイヤ過ごすか、どうせなら楽しもうと臨むか。誰かに「こうしたら楽しめる」とアドバイスを受けたとしても、自分が納得していなければ楽しくなりません。つまり、楽しさを言い換えると納得感。前提として、仕事は楽しいことばかりではありません。どんな環境でもどう捉えるかは自分次第で、根底に「自分が選んだ」という納得感があるから向き合えるのです。納得するまで考え、本当に嫌ならその仕事を選択する・しないも含めて決断するのも自分です。仕事のストレスを食で解決しようとしても、本質は解決できません。どうしようもない時は、とりあえず目の前にあることを一生懸命にやってみる。仕事をしても、休んでも、そのことに集中するのです。そうやってメリハリをつけられると少しずつ楽しめるようになると思います。
益子先生からの回答
周りの人の気持ちに寄り添うのは大切ですし、誰かを慮る気持ちが強くなることもあるでしょう。でも、「寄り添うこと」と「合わせること」は違います。その違いを認識しましょう。
「共感」とは、ありのまま、ジャッジせず認めること。「同調」とは、相手や周囲に調子を合わせること、同じ意見・態度になることです。
自分と違う気持ちや考えに対して、「共感」することはできますし、それは自分を否定することにはなりません。対して、「同調」すなわち合わせることは、自分を抑えてしまうこと。自分で自分を否定することになるからつらくなってしまうのです。
自分で感じたことは真実でありそれが自分らしさであるわけで、周りから否定されるものではありませんし、何より自分がそれを認め大事にすることが自分らしくあるということだと思います。自分は自分という認識で、周りが感じることと自分の感じることの境界を意識するのです。「あなたはそう感じたのですね。私はこう思います」と伝えることは、相手を否定することにはなりません。
また、なにごとにも動じないことが「強さ」とは限りません。例えば、向日葵は太陽に向かってまっすぐ伸びる。紫陽花は雨に濡れているのが艶っぽくて綺麗ですし、秋桜は風にそよぐ姿が美しい。それぞれの「強さ」を持って咲いていますよね。つまり、強さは一つではない。それぞれの強さを受け入れられる豊かさをもっていることが大事ではないかと思うのです。自分らしさは自分が決める、周りから刺激を受けても自分らしさが影響されることはないと意図しましょう。
とはいえ、自分にとって心地よくない言葉や態度で苦手だなぁと感じる人はいます。そのときは、脳にフィルターがかかっていて、外からの刺激はフィルターを通して受けている、と想像してみてください。フィルターの網目は大きくしたり小さくしたり調節可能です。受けたくない刺激は網目を閉じて遮断できる。そのようにイメージするだけで頭に入ってくるものが全く変わってきます。自分ではコントロールできないものに対して、そのまま受けるのではなく、自分のフィルターを通して受けるも受けないも選択できるのです。自分フィルターを設定すればいい。そうした視点に立てば、苦手な人に黒い気持ちをぶつけられても冷静に受け流すことができると思います。
ただし、網目を調節するのにはエネルギーが必要です。疲れていて、気持ちに余裕がないと調節が難しい。また、こだわりや思い込み、執着は、網目の汚れのように付着しているので、フィルター機能が低下するばかりか、自分にとってよい刺激も素直に受け取れなくなってしまいます。自分らしさも周りの人それぞれの自分らしさも認められる豊かさをもって、常にフィルターはクリアにしておきたいものです。
益子先生からの回答
普段できていることができなくなった、いつもと違う状態ならば、病的な状態、病気の可能性がありますので、医療機関の受診をお勧めします。自分で思っている以上に心身が疲労していることもあります。そのような場合は適切な治療が必要です。
病気ではないとすると、生きることが面倒くさいと考えてしまいたくなるような、前向きに生きることにブロックをかけてしまっているのかもしれませんね。動いてもいいことばかりとは限りませんし、誰でもイヤな体験や失敗はしたくありません。でも動かなければいいことにも出会えませんし、何も変わりません。
面倒くさいのはいけないことではありません。誰もが常に元気でやりたいことに溢れているわけではないと思います。気力がないことがデフォルトで、それが自分らしい人もいるかもしれません。やる気のあることが正しいとは限らないのです。いろんなテンションの人がいて世の中が構成されています。少なくとも、生活において、ご自身が最低限と思うことはできているわけです。大事なのは、そのような自分でもいまを必死に生きている。それがいまの自分で自然体であると、まず自分が自身を認めてあげることではないでしょうか。
そのうえで、どんな自分になりたいか、自分が何を大切にしたいか、など自分の在り方と向き合ってみましょう。方法があるから気分が上がるのではなく、自分がいい状態だから気分は上がるもの。考えるよりも、気持ちよい、心地よいと感じることを意識しましょう。好きなこと、やりたいことがないのなら、まずは、いま、目の前のことをとにかく一生懸命に、自分なりに楽しめるように取り組んでみましょう。好きなことややりたいことは「名詞」ではなく、「動詞」の中にあるといいます。楽しみながら行動をすることで見えてくることが必ずあるはずです。
益子先生からの回答
精神医学として少し専門的になりますが、その方にとって大切な人、こと、ものとの別れにおいて起こる心の反応を「対象喪失反応」といいます。それが身近における大切なものであるほどみられます。ショックを受けたり、後悔が生まれたり、落ち込んだり、時に怒りが起こったり……いろんな反応が出てきます。こうした一連の感情は人間として正常な心の反応で、誰にでもあるものです。死別だけでなく失恋、子どもの自立などでも起こります。しかし、反応から回復する術を脳はちゃんと持っているんですね。正常な反応なので、ありのままの反応を受けとめ、味わいましょう。泣きたいときは泣く、我慢せず全部吐き出してしまうのです。ただし、生活のリズムは崩さず社会生活はいつも通り整えておくこと。あなたがいまを生きていることを忘れないようにするためです。対象喪失反応の回復過程や期間はさまざまで、回復に影響する要因の有無によっても変わります。反応のケアをし、回復をサポートする心理療法(喪の仕事mourning work)もありますので、自分でコントロールすることが難しい、あるいは長く続いてしまう場合は、専門の医療機関を訪ねてご相談ください。
益子先生からの回答
はじめに、「何かに気になってしまう自分は良くない自分」と思っていませんか?
気になってしまうことは、不都合が大きいことはあっても、良くないことや間違いではありません。
繊細という気質をもつ「HSP」=「気になってしまう人」は、細かいことに気が付き、刺激に敏感に反応して、「あれでよかったのかしら?」と考えすぎてしまいます。でもこれは「気質」であって病気ではありません。一生懸命やりたい頑張り屋さんで、いろんなことに繊細に反応してしまうために、ちょっと生きづらかったり疲れやすかったりします。
例えば、10の刺激に対して10で受け止める人もいれば、5で適当に対応する人もいます。一方、15で反応して求められる以上に頑張ってしまうのが繊細さん。15で対応すること自体が問題なのではなく、エネルギーをたくさん消費するためにそれだけ充電が必要になるのです。そうしたことを認識し、自分が納得しているかが重要です。
まず、お客様に喜んでもらいたいとよりよい対応を心がけているあなたがいる。それをあなた自身がまず認めること。自己否定が根本にあると、過程も結果もすべて否定的な捉え方になってしまうものです。
現在のコールセンターのお仕事でクレームがないのなら、それで合格としましょう。不安になることに目を向けるのではなく、どうしたら自分が安心できるのかを考えましょう。そして、とりあえず目の前のことを一生懸命にやる。ここまでできたらOKという自分のルーティーンを作ってみる。問題が起こらなければよしとする。自分自身で納得できるように意識してみてください。納得感があれば気持ちの切り替えもうまくいくと思います。
益子先生からの回答
割り切ろうとしなくていいのではないですか。完璧な人はいないのです。まず自分がどうありたいか、自分の大切なことは何か、これだけは譲れないというものは何か。とことん自分と向き合ってみましょう。自分のこと、自分の在り方がわかって自分軸で考えることができれば、自然と割り切ろうとしなくて済むようになるでしょう。
とはいえ、誰かと自分を比較して「羨ましい。でもあんなふうになれない…」と思ったりしますよね。そんな時は、ジグソーパズルのピースをイメージしてみてください。へこんだり、出っ張ったりしていますよね。でもどれも一つの面積は変わらない。いろんな凸凹(でこぼこ)があった方が豊かだし、お互いの凸凹がピッタリ合うと気持ちいい。自分にも出っ張りとへこみがあることを認識しましょう。持って生まれた凸凹は、その人の個性であり、欠けているわけではありません。へこみを埋めようとするよりも出っ張りを活かしたほうが輝くかもしれませんね。
会社組織はジグソーパズルみたいなもの。凸凹を柔軟に調節できる人もいれば、どうしても調節できない人もいます。でも、お互いに補い合えれば気持ちよく、より豊かになれると思います。
参考までに、映画「グレイテスト・ショーマン」で『これが私!』(『This Is Me』)と歌うシーンがあります。この作品を観ると、どんな自分であっても「それが私なんだ」と前向きに受けとめられますよ。